デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

2022-01-01から1年間の記事一覧

デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直し

(第6回デジタル臨時行政調査会) 少し前になりますが、12月21日に、政府のデジタル臨時行政調査会で、「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに関する工程表」が作成・公表されました。 デジタル臨時行政調査会とは、岸田政権の成立後、2021年11月…

「地方公共団体情報システム標準化基本方針」が閣議決定されました

(10月7日の新着情報) デジタル庁HPの10月7日付の新着情報として、「「地方公共団体情報システム標準化基本方針」を策定しました」との記事が掲載されていました。 このシステム標準化の基本計画は、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律…

デジタル法令用語:電子取引

(だいたいの意味) 電子取引は、注文や契約などの取引行為をインターネットを通じて、電磁的方法で行うことです。電子契約と同じじゃないかと思われるかもしれませんが、契約書だけでなく、契約の前提となったり(申込書、注文書など)、契約に付随するよう…

デジタル法令用語:電子文書、電子帳簿

(だいたいの意味) 電子文書や電子帳簿は、通常は、文字通り、電子化された文書や帳簿のことを指して使われていると思いますが、法令用語としては、法令で作成・保存が定められている文書や税務関係で必要な帳簿についてデジタル化(電磁的方法による作成等…

デジタル法令用語:電子契約

(だいたいの意味) 電子契約は、インターネットなどを通じて、パソコンやスマホで行う契約のことです。紙での契約書に変わって、電子文書で電子署名を用いて行うものという説明を聞く場合もありますが、日常的な生活での契約についても、契約書なんてかわさ…

デジタル法令用語:電子署名

(だいたいの意味) 電子署名は、電子契約などの電子文書の真正性に関する証明の方法です。紙文書における署名や押印に当たるものですが、電子文書は、電磁的方法で作成されていますので、電子署名についても、電磁的方法で作成・記録されるものとなります。…

デジタル法令用語:半導体集積回路

(だいたいの意味) 半導体集積回路というのは、まずはICチップのことと思っていいと思います。マイナンバーカードやクレジットカードの表面に埋め込まれている金色の小さい四角いやつのことですね。。このICチップの部分に、電磁的方法でデータが記録されて…

デジタル法令用語:公的個人認証

(だいたいの意味) 公的個人認証サービスとは、オンラインで行政手続等を行う際に、他人による「なりすまし」などを防ぐために用いられる本人確認の手段で、申請等の手続の際に、マイナンバーカード等を使った「電子利用者証明」を利用できるようにするため…

デジタル法令用語:インターネット(情報通信ネットワーク)

(だいたいの意味) インターネットについて、特に説明は不要かと思います。法律用語として最初に使われたのは、2000年の高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)のときのようですが、その後、様々な法令で使われ、法令用語としても定着していま…

デジタル臨調作業部会(第14回)が開催されました

(第14回作業部会の議事内容) 9月28日に、デジタル臨調の作業部会(第14回)が開催されました。 今回の作業部会の議事は、以下のようになっています。 議事 1.テクノロジーベースの規制改革推進委員会の開催及び技術カタログの先行整備について2.臨…

デジタル大臣の勧告権(デジタル庁設置法)

(9月16日の河野デジタル大臣会見) 昨日、9月16日の河野大臣会見の発言概要がアップされていました。が、デジタル関係の法制度に関することは、特段言及がありませんでした。 9月13日の河野デジタル大臣の会見では、契約書面の電子化とクーリングオフ…

デジタル法令用語:識別符号

(だいたいの意味) 「識別符号」とは、人や機関などを識別するための、文字・番号・記号などのことです。コンピューターでの情報処理がしやすいように割り振られることが多いと思います。 具体的には、IDやパスワードを示すこともありますし、各法律の規定…

不正アクセス禁止法(1999年)について

(そもそも、どんな法律なのか) 不正アクセス禁止法は、コンピューターやシステムに不正に侵入する行為を禁止する法律です。他人のIDやパスワードを不正に入手したり、サイバー攻撃によってセキュリティを突破したりすることで、システム等に侵入することが…

契約書面の電子化とクーリングオフ(2021年特定商取引法改正)

(9月13日の河野デジタル大臣会見) 昨日、発言概要がアップされた9月13日の河野デジタル大臣の会見で、契約書面の電子化とクーリングオフの起算点について、繰り返し質問がされていました。昨年改正された特定商取引法に関することらしいのですが、まず…

デジタル法令用語:サイバー◯◯

(だいたいの意味) 法令用語に限らず「サイバー◯◯」というような言葉を最近よく耳にしますが、だいたいは、インターネットの◯◯という意味と思っていれば良いかと思います。 自分でも、ややいい加減かなと思ったのですが、weblio英和辞典で「cyber-」の意味…

サイバーセキュリティ基本法(2014年)について

(そもそも、どんな法律なのか) サイバーセキュリティ基本法は、サイバーセキュリティに関する施策について、基本理念や施策の基本となる事項を定めた法律です。 世界的規模でのサイバーセキュリティに対する脅威の深刻化などを背景に、議員立法として提出…

デジタル法令用語:個人番号カード

(だいたいの意味) 「個人番号カード」は、マイナンバーカードのことです。 マイナンバーカードには、氏名、住所などの情報が電磁的に記録されていて、これらの情報がデジタルでの手続などの際に、電子証明書として利用することができます。 氏名、住所など…

デジタル法令用語:光ディスク

(だいたいの意味) 「光ディスク」というのは、DVDやCDのことです。磁気テープや磁気ディスクと違って、今も使われてる記録媒体なので、詳しい説明は不要かと思います。 なお、現在、より多く記録媒体として使われていると思われるUSBメモリは、法令上は、…

デジタル法令用語:磁気ディスク

(だいたいの意味) 「磁気ディスク」というのは、フロッピーディスクやハードディスクのことです。フロッピーディスクについては、ハードディスクに対して、フレキシブルディスクと呼ぶこともあります。法律上の「磁気ディスク」の規定だけだと、どちらを指…

デジタル法令用語:磁気テープ

(だいたいの意味) 「磁気テープ」というのは、カセットテープやビデオテープのことです、といえば、一定の年齢以上の人は分かると思うのですが、いかがでしょうか。。音楽録音用のカセットテープも見たことがない人には説明がしにくいのですが、昔使われて…

デジタル法令用語:ファイル

(だいたいの意味) 「ファイル」という言葉は、テキストファイル、エクセルファイルなど、なんとなく使っていますが、IT関連の用語としては、データをコンピューターで扱うための一定のかたまりとしての単位のことです。法令用語の「ファイル」も、このよう…

デジタル法令用語:記録媒体(電磁的記録媒体)

(だいたいの意味) 「記録媒体」というのは、DVDやUSBメモリなどの、データを保存する媒体のことです。より明確に「電磁的記録媒体」としている例や、「磁気ディスク」等の個別の名称で規定されている場合もありますが、コンピューターで読み込んで使うこと…

デジタル法令用語:電磁的記録

(だいたいの意味) 「電磁的記録」は、コンピューターで作成したデータのことです。 人間の目では見えませんが、コンピューターで読み込むことで使用できるデータということを念頭に置いて、「人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録…

デジタル法令用語:電子情報処理組織

(だいたいの意味) 法令上、「電子情報処理組織」とあるのは、コンピューターを繋いだシステムのことと思ってもらえればいいのかなと思います。システムに限らず、コンピューターを繋いで情報をやり取りする場合には、メールやクラウドサービスの利用なども…

デジタル法令用語:電子計算機

(だいたいの意味) 法令上、「電子計算機」あるのは、コンピューターのことです。「コンピューター」と規定する法律もあるのですが、圧倒的に「電子計算機」が多いです。(e-gov法令検索で検索してみると、「コンピューター」は55件、「電子計算機」は1217…

デジタル法令用語:デジタル

(だいたいの意味) 「デジタル化に関する法令用語」というように、デジタルという言葉を何気なく使っていますが、そもそもどういう意味なのでしょうか。 デジタルと検索すれば、いろいろな説明が出てくると思いますが、 情報を段階的に区切って表すことで、…

公金受取口座の情報提供開始

(公金受取口座の自治体への情報提供が開始) 昨日、発言概要がアップされた9月9日の河野デジタル大臣の会見で、デジタル庁から地方自治体への公金受取口座の情報提供を10月から開始するとの発表がされました。年度内を予定していたものを、前倒しで開始す…

個人情報保護法について

(そもそも、どんな法律なのか) 個人情報保護法について、見てきましたが、そもそもどんな法律なのか、改めて確認した上で、デジタル化に関連の深い制度を見てみたいと思います。 まず、個人情報保護法は、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を…

個人情報保護法の改正(2021年)

(個人情報保護法の改正(2021年)) 前回、2020年の個人情報保護法の改正について、データの利活用の促進のための改正を中心にご紹介しましたが、2021年のデジタル社会形成整備法での個人情報関係3法の統合について、今回は見てみたいと思います。 以前の…

個人情報保護法の改正(2020年)

(個人情報保護法の改正(2020年)) これまで、デジタル化に伴う、データの利活用に関しては、官民データ活用促進基本法などを見てきたところですが、個人情報の扱いが重要なテーマとなります。 個人情報保護法は、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権…