(財務省関係(第12条))
前回に続き、2000年にIT書面一括法で改正された法律について、実際の条文を見ていこうと思います。今回は、財務省関係の法律からです。
IT書面一括法の第12条では、財務省所管の「たばこ耕作組合法」について、下線部を追加し、赤字の部分にあるようなデジタル化を可能とする改正がされています。(なお、デジタル化を可能とする部分以外の細かい改正は省略しています。)
◯たばこ耕作組合法(昭和三十三年法律第百三十五号)
第十条 (略)
2、3 (略)
4 組合員は、定款で定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて財務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により行うことができる。
5~6 (略)
7 (略)この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる。
第二十三条 (略)
2 前項の場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項及び理由を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該組合員は、当該書面を提出したものとみなす。
3 (略)
財務省関係は、この一本です。これまでの民民間での書面の交付のデジタル化と違い、会議体の議決権の行使や、会議の参加等に関わる書面の提出について、デジタル化が可能とされています。
(厚生労働省関係(第13条〜第20条))
次は、厚生労働省関係の法律です。順次見ていきたいと思います。
◯消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)
第十七条 (略)
2 (略)
3 組合員は、定款の定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権又は選挙権の行使に代えて、議決権又は選挙権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)により行うことができる。
4、5 (略)
6 (略)この場合において、電磁的方法により議決権又は選挙権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる。
第三十五条 (略)
2 (略)
3 前項の場合において、電磁的方法により議決権又は選挙権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項及び理由を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該組合員は、当該書面を提出したものとみなす。
4 (略)
◯毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)
第十四条 (略)
2 (略)
3 前項の毒物劇物営業者は、同項の規定による書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、当該譲受人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項について電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供を受けることができる。この場合において、当該毒物劇物営業者は、当該書面の提出を受けたものとみなす。
4 (略)
◯社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)
第七十七条 (略)
2 社会福祉事業の経営者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令の定めるところにより、当該利用者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該社会福祉事業の経営者は、当該書面を交付したものとみなす。
◯結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)
※「記録の写の交付」を「規定により作成された記録の開示」に改める改正であったため、省略します。
◯覚せい剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)
第十八条 (略)
2 前項の譲受人は、同項の規定による譲受証の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該相手方の承諾を得て、当該譲受証に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該譲受人は、当該譲受証を交付したものとみなす。
3、4 (略)
第三十条の十 (略)
2 前項の譲受人は、同項の規定による譲受証の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該相手方の承諾を得て、当該譲受証に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該譲受人は、当該譲受証を交付したものとみなす。
3 (略)
◯麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)
第三十二条 (略)
2 前項の麻薬営業者は、同項の規定による譲受証の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該譲受人の承諾を得て、当該譲受証に記載すべき事項について電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供を受けることができる。この場合において、当該麻薬営業者は、当該譲受証の交付を受けたものとみなす。
◯生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律(昭和三十二年法律第百六十四号)
第十七条 (略)
2 (略)
3 組合員は、定款の定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)により行うことができる。
4~5 (略)
6 (略)この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる。
第四十一条 (略)
2 (略)
3 前項の場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項及び理由を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該組合員は、当該書面を提出したものとみなす。
4 (略)
◯薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)
第四十六条 (略)
2 (略)
3 第一項の薬局開設者等は、同項の規定による文書の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該譲受人の承諾を得て、当該文書に記載すべき事項について電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供を受けることができる。この場合において、当該薬局開設者等は、当該文書の交付を受けたものとみなす。
4 (略)
厚労省関係は、以上の8本です。結核予防法だけは、「記録の写の交付」を「規定により作成された記録の開示」に改正する内容でしたが、他の法律の改正のパターンは、概ねこれまでに見てきたものと同様となっていますね。
今回で、条文数で言えば、5分の2まで来ました。次回は、農林水産省関係(第21条〜第33条)を見てこうと思いますが、少し分量が多くなりそうなので、2回に分けるかもしれません。
(参考)