(旅券法の一部を改正する法律)
旅券法の改正法は、4月20日に成立し、27日公布されました(法律第33号)。
改正内容は、パスポートの発給等の申請のオンライン化を可能とするもので、例えば、パスポート(法律上は、「一般旅券」といいますが)発給の申請に関する第3条第1項中では、「都道府県に出頭の上」という文言の削除などが行われています。
これまでは、出頭による手続が求められていたわけですが、今回の改正で、都道府県の窓口等への出頭が不要となり、パスポート申請のオンライン化が可能となりました。
なお、一般旅券の交付について定める旅券法第8条第1項は、デジタル手続法の適用除外となっています。パスポートを現物で渡す必要がありますから、オンライン化には適さないということなんでしょうね。
(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律)
大変長い法律名になっていますが、これは、いわゆる「薬機法」等の改正です。5月13日に成立し、5月20日公布されました(法律第47号)。
厚労省の概要資料を見ると、改正内容は、緊急時において、安全性の確認を前提に、医薬品等の有効性が推定されたときに、条件や期限付の承認を与える迅速な薬事承認の仕組みを整備するとともに、オンライン資格確認を基盤とした電子処方箋の仕組みを創設し、その利活用を促すこととされています。
デジタル化にとって重要なのは、後半の部分で、具体的な法律としては、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」や「医師法」等が改正されています。今回の法律名でいうと「等」の部分の法律改正になりますね。
より具体的には、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」で、電子処方箋の仕組みの創設に関する規定が新設され、医師法等で「電子処方箋の提供」を「処方箋の交付」とみなす旨が定められています。
改正後の条文は、以下の通りとなっています。(下線部が追加された部分です。)
〇地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律
第十二条の二 医師又は歯科医師は、患者又は現にその看護に当たっている者の求めに応じて、医師法(昭和二十三年法律第二百一 号)第二十二条第一項又は歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第二十一条第一項の規定によるこれらの者に対する処方箋 (書面に代えて当該処方箋に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を作成した場合における当該電磁的記録を含む 。以下同じ。)の交付に代えて、支払基金又は連合会に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該処方箋を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法(以下この条及び第三十八条において「電磁的方法」という。)により提供することができる。
2~8 (略)
〇医師法
第22条 (略)
2 医師は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(平成元年法律第六十四号)第十二条の二第一項の規定により処方箋を提供した場合は、前項の患者又は現にその看護に当たつている者に対して処方箋を交付したものとみなす。
(博物館法の一部を改正する法律)
博物館法の改正法は、4月8日成立し、15日公布されました(法律第24号)。
主な改正内容は、博物館に求められる役割が多様化・高度化していることを踏まえ、博物館の設置主体の多様化を図りつつその適正な運営を確保するため、法律の目的や博物館の事業、博物館の登録の要件等を見直すこととされていますが、その中で、博物館の事業に「博物館資料のデジタル・アーカイブ化」を追加する、という改正が含まれています。
具体的には、第3条第1項に第3号が追加されています。
(博物館の事業)
第三条 博物館は、前条第一項に規定する目的を達成するため、おおむね次に掲げる事業を行う。
一、二 (略)
三 博物館資料に係る電磁的記録を作成し、公開すること。
四~十二(略)
2 (略)
あまり、デジタル化とは関係ないでしょうか。。
今回も3つご紹介したので、とりあえずここまでにします。なお、ご紹介している法律は、内閣法制局のHPにある内閣提出法案の一覧を、上から順番に見ていっています。交付日が前後したりしているのは、そのためです。。
(参考)