デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

デジタル臨調作業部会(第13回)が開催されました

(第13回作業部会の議事内容)

 早いもので、もう9月になって、先月のことになってしまいましたが、8月30日に、デジタル臨調の作業部会(第13回)が開催されました。

 今回の作業部会の議事は、以下のようになっています。

議事

1.FD等の記録媒体を指定する規制の見直しについて

2.常駐・専任規制、対面講習規制、書面掲示規制、往訪閲覧・縦覧規制について関係省庁からヒアリング

3.行政サービスのデジタル完結に向けての見直し

4.意見交換

 

 デジタル大臣が交代した後、初の作業部会ではないかと思うのですが、フロッピーディスクの見直しなどについて、新大臣から、かなり強力に発信されていますね。。

 

(FD等の記録媒体を指定する規制)

 すでに、数多くの報道等がなされていますが、まず、FD等の記録媒体の議題について見てみたいと思います。

 今回の作業部会の資料1によると、法律・政令・省令合わせて約1900条項で、フロッピーディスク等を指定する規制が存在するとのことです。これらが手続のオンライン化や新たな技術の導入・活用の妨げとなるということで、今後、各府省に点検・見直しを求めることとされています。

 資料1では、規制の内訳も示されているのですが、1894条項のうち、1114条項が「磁気ディスク」で圧倒的多数になっています。この数は、法令検索の結果なので、あくまで点検対象だと思いますし、実際の規定ぶりを見ると「磁気ディスク等」となっていたりするので、未だにフロッピーディスクが使われている例がどのくらいあるのかは分かりませんが、報道などを見ると、それなりにフロッピーディスクの手続が残っているようですね。。

www.sanin-chuo.co.jp

 

 いずれにしても、年内には、各府省の見直し方針を取りまとめるとのことですので、それを待ちたいと思います。

 なお、規制の種類としては、申請・交付等といった手続に関するものと、文書等の作成・保存等に関するものの二種類があるとされています。手続には、民民間のものもあるでしょうし、作成・保存の主体は、行政、民間の両方の場合があると思いますので、そうした違いが、各府省の見直し方針の違いにも表れるのかなども、個人的には関心があります。引き続き、見守っていきたいと思います。

 

(関係省庁からのヒアリング)

 今回、ヒアリングは、4件行われていますが、僕が資料を見て気になったのは、以下の2つです。

 まず、警察庁ヒアリングの資料3については、警察の遺失物関係システムの記載があり、「令和4年度末から新たなシステムに順次移行し、令和8年度末までに全都道 府県が移行する予定」とされていました。県警の枠を超えて、検索等ができるととても便利だなあと思った次第です。

 次に、国交省ヒアリングの資料5については、宅地建物取引士の講習等の記載があるのですが、この登録講習については、受講申し込みや講義の部分は、すでにオンライン対応しているけど、それ以上のこと(修了試験のIBT化など)は難しいという趣旨のようです。講習は、eラーニングの技術も進んでいますから、まずはオンライン化がしやすい部分からということなのでしょうね。

 資料だけでは、説明のポイントや議論の推移などが分からないので、ご関心のある方は、議事録等が公表されたら、ご覧いただければと思います。

 中途半端な感じですみませんが。。

 

 以上、当方の関心事項の備忘ではありますが、どなたかに、ご関心を持っていただくきっかけになるかもしれませんし、デジタル臨調の取組へのリスペクトも含めて、電磁的に記録しておきたいと思います。

 

(参考)

www.digital.go.jp