デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

デジタル法制審査の前倒し

(デジタル法制審査の前倒し)

 先日、デジタル庁が、デジタル法制審査を発足との記事が出ていました。記事の内容を見ると、デジタル臨調の「一括見直しプラン」にあった「法令等のデジタル原則の確認プロセス」を前倒しするという内容のようです。

xtech.nikkei.com

 

 一括見直しプランに記載された「デジタル原則の確認プロセス」は、以前に本ブログでも取り上げたものなのですが、「新規及び既存法令等のデジタル原則への適合性を確認するための立案過程等における手続については、令和6年常会提出法律案のうちから確認を試行的に行うべく、公の会議体を含めデジタル庁の体制を整備するとともに、令和4年度内に詳細設計を行う。」とされていた施行実施を1年以上前倒ししたということになります。

 

(デジタル法制審査チームの立ち上げ)

 この「デジタル法制審査チーム」ですが、記事によると「デジタル庁にあるデジタル臨時行政調査会事務局の中に担当審議官をトップとする17人の職員を配属」とあるのですが、デジタル庁のHP等では、特に、設置に関する資料等は公表されていないようで、河野大臣の閣議後会見での口頭での発表だけのようです。

www.digital.go.jp

 

 関係部分を抜粋すると以下のような感じです。

 「デジ臨で今アナログ規制を見直していますけども、例えば、この秋に召集される臨時国会で、それに逆行するような条項が入った法案が出てくるということは避けなければいけないわけですから、デジタル法制局をデジ臨の中に設置して、この秋の臨時国会に提出予定の法案からしっかり見ていきたい」「総理から・・・秋に向けて、デジタル法制局を早急に立ち上げて、しっかり審査をやってほしいということ。・・・そういうご指示をいただきましたので、今日デジ臨の事務局の中に、デジタル法制局、17名で立ち上げました。」

 

(会見でのやり取り)

 臨時国会で、何本くらいの法案が提出されるのかわかりませんが、1年以上も前倒しして、いろいろ大丈夫なのかなと、傍目で見ていても思ってしまうのですが、それについては、以下のようなやり取りが会見であったようです。

 

(問)デジタル法制局について2点伺います。これまでの計画では、令和6年度の通常国会からデジタル原則を確認していくと、それまで指針の検討とか、そういったことに時間がかかるということでした。こちらを前倒ししたのは、スピード感を重視されたのか、前倒しとした理由についてまず1点伺います。

(答)理由も何も、アナログ規制を外そうと言ってる時に新しいのが出てきては困りますから、当然のことだと思います。

(問)あともう1点が、やはりこれまでの計画では、それくらい検討がかかると、その内閣法制局とのあてつけとか、今、河野大臣、「押し倒すから大丈夫です」とおっしゃいましたが、恒久的な制度・仕組みとして、やはり機能するには何か制度設計なりというのが必要ないのかというところ、その辺りの検討をどう考えていらっしゃるのかと伺いたいんですが。

(答)機能すればいいんじゃないでしょうか。

(問)デジタル庁の中だけでこういった組織を作ると、それだけでもう何て言うか、法制局は立ち上がり、制度面への検討は特に要らないということでしょうか

(答)必要ならやりますけど、立ち上がりましたので、後は仕事してもらうだけだと思います。

 

 このくらいでないと前倒しはできないのでしょうね。。今後、活動状況などの公表があるのか不明ですが、デジタル臨調の場などで紹介があるかもしれませんし、引き続き、見守っていきたいと思います。

 

(参考)

ura49.hateblo.jp