(だいたいの意味)
「識別符号」とは、人や機関などを識別するための、文字・番号・記号などのことです。コンピューターでの情報処理がしやすいように割り振られることが多いと思います。
具体的には、IDやパスワードを示すこともありますし、各法律の規定で、人や機関を識別するために割り振った符号を指す場合もあります。また、送信元識別符号はホームページのURLのことですし、個人識別情報は指紋や顔などの生体情報をデータに変換したものも含むものとされているなど、多様な使われ方をしています。
結構多義的なので、結局、何かをコンピューターで識別するための文字・番号・記号で表したものという以上の説明は難しそうです。。
(法令上の定義)
「識別符号」は、ID、パスワードの意味で、不正アクセス禁止法では定義されています。
◯不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)
(定義)
第二条
2 この法律において「識別符号」とは、特定電子計算機の特定利用をすることについて当該特定利用に係るアクセス管理者の許諾を得た者(以下「利用権者」という。)及び当該アクセス管理者(以下この項において「利用権者等」という。)に、当該アクセス管理者において当該利用権者等を他の利用権者等と区別して識別することができるように付される符号であって、次のいずれかに該当するもの又は次のいずれかに該当する符号とその他の符号を組み合わせたものをいう。
なお、URLを意味する「送信元識別符号」は、著作権法で定義が置かれています。
◯著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)
(電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等)
第四十七条の五
一 電子計算機を用いて、検索により求める情報(以下この号において「検索情報」という。)が記録された著作物の題号又は著作者名、送信可能化された検索情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。第百十三条第二項及び第四項において同じ。)その他の検索情報の特定又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供すること。
このほか、「個人識別符号」は、個人情報保護法で定義が置かれています。
◯個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)
(定義)
第二条
2 この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。
一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの
(その他の用例)
◯武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成十六年法律第百十七号)
(指定部隊長による確認)
第八条
4 確認記録には、次に掲げる事項を記載し、かつ、指定部隊長がその識別符号(個人を識別するために防衛大臣の定めるところにより指定部隊長に付された数字、記号又は符号をいう。)を記入しなければならない。
◯国勢調査令(昭和五十五年政令第九十八号)
(国勢調査指導員及び国勢調査員)
第六条
5 国勢調査員は、市町村長の調査実施上の指導及び国勢調査指導員の指導を受けて、その担当地域内にある世帯に係る識別符号(総務大臣が世帯を識別するために付した符号をいう。第九条第一項第一号及び第十条第三項第一号において同じ。)を記載した書類の配布、調査票の配布、取集及び記入並びに調査関係書類の作成その他これらに附帯する事務を行う。
あまり用語の説明になっていない気もしますが、とりあえず、今回はここまでにします。