デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

デジタル法令用語:プロバイダ

(だいたいの意味)  

 「プロバイダ」とは、インターネットに接続するサービスを提供する事業者のことです。インターネットサービスプロバイダ(ISP)の略とされています。

 法律の略称として、「プロバイダ責任制限法」というものがありますが、法令用語としても「プロバイダ」の用例があります。

 

(法令上の定義)

 法令では、電子公告規則(法務省令)で、「プロバイダ」の定義が置かれています。せっかくなので、サーバやプログラムなどの定義の部分も合わせて引用しておきます。

 (定義)
第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
五 電磁的記録 法第二十六条第二項に規定する電磁的記録をいう。
六 電子計算機 法第九百四十四条第一項第一号に規定する電子計算機をいう。
七 プログラム 法第九百四十四条第一項第一号に規定するプログラムをいう。
八 サーバ 公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。
九 プロバイダ インターネットへの接続を可能とする電気通信役務電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第三号に規定する電気通信役務をいう。)を提供する同条第五号に規定する電気通信事業者をいう

 なお、ここでいう「法」とは、会社法のことです。電子公告規則が、会社法で定める電子公告調査に必要な事項を定める規則のため、このような表記になっています。

 法務省令で「プロバイダ」の定義があるのが、少し不思議だったのですが、会社が、ホームページ等で、株主等へのお知らせを行うことを電子公告というそうで、そうした電子公告がきちんと行われているかについて、電子公告調査という形で確認する仕組みが、会社法で規定されているということが分かりました。この電子公告調査の実施のために、会社法の下位の法令(電子公告規則)でプロバイダの定義も置かれているわけですね。

 

(用例)

 「プロバイダ」の用例は、ほとんどありません。「アプリケーション・サービス・コンテンツ・プロバイダ」が3件、「通信サービスプロバイダ」が1件で、「プロバイダ」単体で使われているのは、上記の電子公告規則のみでした。