(データ利用促進に向けた法整備の記事)
前回、医療データの二次利用について書きましたが、データ利用促進に向けた法整備のための検討会を年内に設置する、という記事も出ていました。
記事を抜粋すると、「政府は12日、デジタル行財政改革会議を首相官邸で開き、医療や金融、教育などの分野で政府や企業が集めたデータの利用を促進するための検討会を年内に設置することを決めた。2025年夏をめどにデータ利活用制度のあり方について基本方針を策定し、法整備も視野に入れる。」とあります。
デジタル行財政改革会議というのは、デジタル臨時行政調査会が発展的に改組されてできた組織で、総理が議長を務めています。年内には、デジタル行財政改革会議の下に、データ利用促進の法整備に関する検討会が設置される、とうことのようです。
(デジタル行財政改革会議の資料)
記事の元になっている、デジタル行財政改革会議の資料を確認してみると、資料3 「デジタル行財政改革の今後の取組方針について」の中に、データ利活用に関する法整備について、日本とEUの状況を比較した資料がありました。
この資料からの推察ですが、データの保護については、EUと同様に日本でも法整備が進んでいる一方で、データの利活用については、次世代医療基盤法や銀行法などの一部の対応にとどまっているため、さらなる法整備について検討していこう、ということなのだろうと思います。
(総理指示)
デジタル行財政各会議では、議長である総理が各府省への指示を出して取り組みを進めていく、という形が取られています(前身のデジタル臨時行政調査会も同様の形で進められていました。)が、今回の第8回会議でも総理からの指示が出されています。こちらは総理官邸のHPで確認できます。
データ利用促進の法整備に関する部分を抜粋すると、以下のようになっています。
第3点、医療、金融等の分野におけるデータの利活用であります。
我が国が世界一AIフレンドリーな国であり続けるためにも、平大臣を中心に、データ利活用制度に関する包括的な検討を行う検討会を年内に立ち上げ、関係省庁等と連携し、来年夏をめどとして、基本的な方針を策定してください。
総理指示を見ても、想定されているのは、医療や金融の分野のようですね。また、スケジュール感については、来年夏をめどに基本的な方針を策定、とありますので、実際に法改正が行われるのは、早くても再来年の通常国会ということになるのでしょうか。。いずれにしても、年内の検討会の開催に注目したいと思います。
(参考)