(第217回通常国会が1月24日に召集)
1月24日に通常国会が召集されました。今年の通常国会には、政府が59本の法案を提出するというニュースもありますが、内閣法制局のHPはまだ更新されていませんでした。来週以降、再度確認してみたいと思います。
(施政方針演説でのデジタル関係法案)
24日には、衆・参の本会議で総理大臣の施政方針演説が行われました。デジタル関係の法案に触れられている箇所を抜粋してみますと、以下のような感じです。
(新時代のインフラ整備)
第4の柱は、「新時代のインフラ整備」です。GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を支える「新時代のインフラ」を軸として、産業拠点や生活拠点の再配置を促進します。
(略)
AIは、今や、国の競争力や社会の豊かさを左右する極めて重要な技術です。イノベーションの加速とリスクへの対応を両立させる法案を提出いたします。AI、データセンター等を繋ぐ情報通信ネットワークを、サイバーセキュリティを確保しつつ整備いたしてまいります。AI・半導体分野に50兆円を超える投資を引き出す環境整備のための法案を提出します。
(経済安全保障)
経済安全保障の観点から、我が国の自律性と不可欠性を高めるため、重要サプライチェーンの国内回帰・立地促進を含む強靱(きょうじん)化や技術流出対策等の取組を進めます。官民が連携し脅威・リスクを分析する経済インテリジェンス機能の強化を図ります。
国、重要インフラ等に対するサイバー攻撃を排除するため、能動的サイバー防御を可能とする法案を提出いたします。
能動的サイバー防御の法案は、昨年の政府の有識者会議(「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」)の提言以降、これまでも報道等されているものですね。
AIの方の法案は、規制と技術革新の両立を目指す、といったことがニュースになっていたと思います。それが「イノベーションの加速とリスクへの対応を両立させる法案」だとして、また別に「AI・半導体分野に50兆円を超える投資を引き出す環境整備のための法案」が提出されるということのようですね。こちらも来週以降、法制局のHPで確認したいと思います。
(サイバー防犯訓練)
施政方針演説のデジタル関係法案の部分は上記のとおりなのですが、このほかにも、少し気になる内容がありました。
(治安)
犯罪は長期的に減少傾向にありますが、多くの国民が治安の悪化を感じています。「闇バイト」による強盗・詐欺、巧妙なサイバー犯罪等が後を絶たず、女性が悪質ホストクラブに搾取される問題も生じています。犯罪対策を強力に推進し、「世界一安全な日本」を実現します。
匿名・流動型犯罪グループに対し、仮装身分捜査等により検挙を徹底いたします。「闇バイト」の求人情報の削除の促進、SNS等での若者向けの注意喚起、防犯カメラの整備の支援等を進めます。
学校と連携したサイバー防犯指導、官民連携でのサイバー攻撃対処訓練等を推進します。また、悪質ホストクラブへの規制を強化する法案を提出するとともに、性暴力、DV、虐待等を防ぎ、被害者支援を推進します。
上記の通り、治安対策の部分で、学校と連携したサイバー防犯指導ということが施政方針演説に盛り込まれています。とても重要なことだと思いますが、具体的にどのように進められていくのかなど、また情報があれば確認したいと思います。
こちらの箇所に記載されているサイバー防犯指導や、サイバー攻撃対処訓練も、「法案」があるのかなと一瞬思ったのですが、法案は「悪質ホストクラブへの規制を強化する法案」でした。こちらも内容など気になるところですが、、デジタルとは関係なさそうなので、これは措いておきます。。
(参考)