(デジタルに関係法案の提出状況)
今回から、第219回臨時国会(10月21日〜12月17日)における、デジタル関係の法律の状況について見ていきます。
秋の臨時国会では、夏の人事院勧告を受けて、給与関係の法改正が主に行われるという勝手な印象を持っているのですが、、今年は、11月11日の給与改定の閣議決定の際に、デジタルに関する法案が3本閣議決定されています。
具体的には、以下の下線太字の3法案において、情報通信技術の進展への対応のため、という内容が、その提出理由として含まれています。
法律案
ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(決定)(警察庁)
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(決定)(内閣府本府)
更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案(決定)(法務省)
(各法案のデジタル関係部分)
上記の3法案について、それぞれの提出理由・概要から、デジタル化への対応に関する部分を抜粋してみると、それぞれ以下のような内容が含まれていると分かりましたので、とりあえず備忘まで記載しておきます。
ストーカー規制法の一部改正法案
最近のストーカー被害の実態が深刻化を踏まえた改正ですが、情報通信技術の進展により、スマートフォン連携の「紛失防止タグ」(AirTag等)など、従来の「見張り」や「つきまとい」とは異なる新たな手段が用いられるようになってきていることから、「紛失時における発見のために用いられる識別情報を送信する機能を有する装置の位置情報を、当該装置を所持する者の承諾を得ないで取得する行為等を規制の対象に加える」(法案提案理由より)といった改正内容が含まれています。
DV防止法の一部改正法案
こちらも、「紛失防止タグ」を用いてDV被害者等の所在を把握する行為は、現行法での接近禁止命令等の禁止行為の対象外となっていることから、「裁判所が発する命令により禁止される行為として、紛失時における発見のために用いられる識別情報を送信する機能を有する装置の位置情報を、当該装置を所持する被害者の承諾を得ないで取得する行為等を追加する」(法案提出理由より)という改正内容となっています。
ストーカー規制法で「紛失防止タグ」の悪用への対応がなされることと、並びをとったものと考えればよいと思います。
気象業務法及び水防法の一部改正法案
こちらは、気象業務法の改正が、情報通信技術の進展に対応したものとなっています。
具体的には、「情報通信技術の進展等により、日本国内に向けて不適切な気象等の予報業務を行う外国法人等が現れていることから、外国法人等による予報業務に関する規制を強化する必要がある」(概要資料より)という背景を踏まえ「予報業務の利用者の保護を図るため、外国法人等が行う予報業務の許可に関する規定の整備等を行う」(法案提出理由より)という内容の改正が行われます。
概要資料を見ると、規定の整備としては、許可の申請に当たって、国内代表者等の指定を義務付けたり、国内代表者等の所在が不明である場合に、簡易な手続きで許可を取り消すことができるようにしたりするようです。また、許可を取得せずに予報業務を行う者等について、氏名等の公表制度も設けられるようです。これらの規制のために新設される条文は、あまりデジタル化に関する用語が入った特徴的なものではなさそうですが、また成立後に改めて見てみたいと思います。
内閣法制局のHPでも、現時点では、臨時国会の提出法案は上記の4法案が掲載されている状況となっています。
とりあえず、第219回国会への提出法案の現状確認としては、以上としたいと思います。
(参考)