(民事裁判情報の活用促進)
12月3日の官報の目次を見ていたところ、「民事裁判情報の活用の促進に関する法律」の施行期日を定める政令、というものがありました。

内容は、この法律の施行日を、令和8年1月15日とする、というだけのものなのですが、、この法律のタイトルが「情報の活用の促進」となっていることからして、デジタル関係の気がしまして、、、確認してみたところ、こちら今年の通所国会に法務省から法案が提出されていて、提出理由は以下のとおりとなっていました。
民事裁判情報の適正かつ効果的な活用の促進を図るため、国の責務及び法務大臣による基本方針の策定について定めるとともに、民事裁判情報を加工して第三者に提供する業務等を行う法人の指定に関する制度を創設する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
「情報の適正かつ効果的な活用の促進」「情報を加工して提供する業務・・・に関する制度を創設」とありますし、やはりデジタル関係の新しい法律のようなので、遅ればせながら内容を見てみます。。
(民事裁判情報活用促進法の主な内容)
この法律の目的を定めている第1条を見ると以下のようになっています。
(目的)
第一条 この法律は、デジタル社会の進展に伴い民事裁判情報に対する需要が多様化していることに鑑み、民事裁判情報の活用の促進に関し、国の責務、法務大臣による基本方針の策定、民事裁判情報を加工して第三者に提供する業務等を行う法人の指定等について定めることにより、民事裁判情報の適正かつ効果的な活用のための基盤の整備を図り、もって創造的かつ活力ある社会の発展に資することを目的とする。
すごく大雑把ですが、民事裁判の判決等をデータベース化して活用を促進するために、国で基本方針を策定したり、判決文に含まれる個人情報を加工したりする業務を指定法人に行わせたりすることが定められるようです。
ちなみに、民事裁判情報の定義は、以下のようになっています。具体的には、電子判決書、電子調書、電子決定書と思っておけば良さそうです。
(定義等)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 民事裁判情報 民事訴訟手続及び行政事件訴訟手続において作成された次に掲げる電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録されている事項に係る情報をいう。
イ 電子判決書(民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二百五十二条第一項に規定する電子判決書をいい、同法第二百五十三条第二項の規定により裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に備えられたファイル(以下この号において単に「ファイル」という。)に記録されたものに限る。)
ロ 民事訴訟法第二百五十四条第二項の電子調書(同法第百六十条第二項の規定によりファイルに記録されたものに限る。)
ハ 電子決定書(民事訴訟法第百二十二条において準用する同法第二百五十二条第一項の規定により作成された電磁的記録をいい、同法第百二十二条において準用する同法第二百五十三条第二項の規定によりファイルに記録されたものに限る。)であって、法令の解釈適用について参考となる裁判に係るものとして法務省令で定めるもの
(電子判決書)
民事裁判情報の活用促進の前提としては、2022年の民事訴訟法の改正による電子判決書の導入など、民事裁判手続のデジタル化の取組が進められていることがあります。
ちなみに、電子判決書については、民事訴訟法第252条で以下のように定められています。
(電子判決書)
第二百五十二条 裁判所は、判決の言渡しをするときは、最高裁判所規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記録した電磁的記録(以下「電子判決書」という。)を作成しなければならない。
一 主文
二 事実
三 理由
四 口頭弁論の終結の日
五 当事者及び法定代理人
六 裁判所
2 前項の規定による事実の記録においては、請求を明らかにし、かつ、主文が正当であることを示すのに必要な主張を摘示しなければならない。
電磁的記録を作成する、という単純な規定ぶりですが、判決書の原本が電子化されるということで、とても当時衝撃を受けたことを覚えています。。
この電子判決書を含め民事裁判手続のデジタル化に関する、2022年の民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)は、2022年(令和4年)5月25日に公布されていて、その施行日は「公布の日から起算して四年を超えない範囲内において政令で定める日」とされています。当時は、まだまだ先のことと思っていましたが、来年が令和8年なので、いよいよ施行が間近になってきているわけですね。。
(参考)