デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

第219回国会のデジタル関係法(5)気象業務法の改正

気象業務法の改正)

 第219回臨時国会(10月21日〜12月17日)に成立した、デジタル関係の法律を見てきましたが、今回5回目は気象業務法の改正について見てみます。

 まず、提出理由(気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案の)については、以下の通りとなっています。

水災による被害の軽減を図るため、洪水の特別警報の創設、国土交通大臣等が共同して行う高潮の予報及び警報の創設、河川管理者等による氾濫等の通報の実施等の措置を講ずるとともに、情報通信技術の進展を踏まえ、予報業務の利用者の保護を図るため、外国法人等が行う予報業務の許可に関する規定の整備等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

 赤文字にした部分が、「情報通史技術の進展を踏まえ」とありますので、デジタル関係といってよいかと思います。

 

(デジタル関係部分の改正概要)

 気象業務法のデジタル関係部分の改正概要資料は、以下のようになっています。

国土交通省HP法案概要資料より抜粋

 

 「情報通信技術の進展等により、日本国内に向けて不適切な気象等の予報業務を行う外国法人等が現れていることから、外国法人等による予報業務に関する規制を強化する必要がある」(概要資料より)という背景を踏まえ「予報業務の利用者の保護を図るため、外国法人等が行う予報業務の許可に関する規定の整備等を行う」(法案提出理由より)という内容の改正となっています。

 具体的には、許可の申請に当たって、国内代表者等の指定を義務付けたり、国内代表者等の所在が不明である場合に、簡易な手続きで許可を取り消すことができるようにするための法改正が行われています。また、許可を取得せずに予報業務を行う者等について、氏名等の公表制度も設けられました。

 

(具体的な改正条文)

 具体的な条文についてですが、国内代表者等の指定の義務付けについては、以下のような条文が新設されています。

 (予報業務の許可の申請)
第十七条の二 前条第一項の許可を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を気象庁長官に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  外国法人等(外国の法人及び団体並びに外国に住所を有する個人をいう。次条第二項第四号及び第二十一条第二項において同じ。)にあつては、国内における代表者(同号及び同項において「国内代表者」という。)又は国内における代理人(以下「国内代理人」という。)の氏名又は名称及び国内の住所並びに法人である国内代理人にあつてはその代表者の氏名
 三 予報業務の目的及び範囲
 四 その他国土交通省令で定める事項
2 前項の申請書には、次条第二項第一号から第三号までに該当しないことを誓約する書面その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

 

 新設条文は、特にデジタル化に関する用語が入っているわけではないですし、デジタル関係法という感じではないですが、似た内容の規定は、電気通信事業法の「電気通信事業の登録に関する条文にも置かれていました。(届出に関する第16条にも同様の規定があります。)

電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)
第十条 前条の登録を受けようとする者は、総務省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  外国法人等(外国の法人及び団体並びに外国に住所を有する個人をいう。以下この章及び第百十八条第四号において同じ。)にあつては、国内における代表者又は国内における代理人の氏名又は名称及び国内の住所
 三 業務区域
 四 電気通信設備の概要
 五 その他総務省令で定める事項
2 前項の申請書には、第十二条第一項第一号から第三号までに該当しないことを誓約する書面その他総務省令で定める書類を添付しなければならない。

 

 電気通信事業法のこちらの規定は、令和2年に改正されて、令和3年4月から施行されているものです。デジタルっぽい用語の条文ではないですが、情報通信技術の進展に対応するために必要となっている条文ということは言えるのだろうと思います。

 

 とりあえず以上です。

 第219回国会のデジタル関係法については、今回で一通り確認できたと思います。

 

(参考)

www.mlit.go.jp