はじめに
前回の記事では、法令XMLに触れる前段として「そもそも法令とはどういう構造をしているのか」をざっくり整理しました。
今回は、次の段階として、法令の目次・章立て構造と、それが法令XMLでどう表現されているかを見ていきます。
(法令は「階層構造」)
日本の法令は、基本的に次のような階層構造を持っています。
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編(かなりレア)
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章
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節
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款(たまにある)
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目(かなりレア)
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条
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項
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号
すべての法令に全部あるわけではありませんが、重要なのは、大きなまとまり → 小さなまとまりへとネストしていく構造になっていることです。
プログラミング的に言えば、完全にツリー構造ですが、ここで一点重要なポイントとしては、法的な効力を持つのは基本的に「条・項」単位ということがあります。「条」より上の、章・節等はあくまで条文をまとまりごとに整理のためのグルーピング(いわゆる「章立て」であって、実際のルールは「条・項」に書かれています。
ですが、目次との関係では、章・節等が重要となります。
(目次は「構造の見える化」)
多くの法律の冒頭には「目次」があります。(現行法律のだいたい3分の2くらいには、目次があります。)
例えば、教育基本法では以下のような目次がついています。
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前文
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第一章 教育の目的及び理念(第一条―第四条)
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第二章 教育の実施に関する基本(第五条―第十五条)
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第三章 教育行政(第十六条・第十七条)
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第四章 法令の制定(第十八条)
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附則
目次の付け方として、まず本則と附則の別、本則の中の章・節等の区分(章立て)と、それらに属する条文の範囲を(第○条 - 第○条)のように括弧で括って示します。
目次は単なる見出しではなく、法令の構造そのものを圧縮表示したものです。法令の基本単位は「条」(条文)ですが、多くの条文が羅列されると分かりにくいので、章・節等として、内容のまとまりごとにグループ化して整理されることが通常です。内容のまとまりごとの「見出し」を示して、法令全体の構造を見える化する役割と担っているわけです。
(法令XMLではどう表現されるか)
法令XMLでは、目次の構造をそのままタグで表現しています。
まず、<TOC>(Table of Contents)が、目次を表す要素です。
<TOC>(目次)の子要素は、 <TOCLabel> <TOCPreambleLabel> <TOCPart> <TOCChapter> <TOCSection> <TOCArticle> <TOCSupplProvision> <TOCAppdxTableLabel>となっています。
以下、各子要素の説明です。
<TOCLabel> 目次のラベル
<TOCPreambleLabel> 目次中の「前文」
<TOCPart> 目次中の「編」
<TOCChapter> 目次中の「章」
<TOCSection> 目次中の「節」※款は節の子要素、目は款の子要素となる
<TOCArticle> 目次中の「条」※古い法律で目次に条を掲げるものがあったため。
<TOCSupplProvision> 目次中の「附則」
<TOCAppdxTableLabel> 目次中の「別表」
まず、これらは、<TOC>(目次)の直下に並列して記載することができます。(編がない場合には、章を目次直下に記載できます。)
また、「編」<TOCPart> について見ると、子要素として <PartTitle> | <ArticleRange> | <TOCSection> があります。 <PartTitle>は「編の見出し」、<ArticleRange> は編に属する「条文の範囲」、 <TOCChapter>は「章」です。(「章」については、「編」の子要素としても、上記の通り「編」と並列でも(<TOC>の子要素として)記載できることになります。)
「編」<TOCPart>の属性としては、以下の情報を追加できます。
Num(required):stringDelete(default:false):boolean
Numは編の番号で必須です。Deleteは「削除」の場合で、稀に「第◯編 削除」などというきさが残る場合があるため、属性として準備されています。デフォルトがfalseなので記載を省略できます。
「章」「節」等のタグの子要素や属性も基本的には、「編」と同様になっています。
これらのタグで、目次の内容が表現されます。
例えば、上記の教育基本法の目次を、XMLを見ると以下のような感じになっています。(Deleteの要素は省略されずに記載されていますね。)
<TOC>
<TOCLabel>目次</TOCLabel>
<TOCPreambleLabel>前文</TOCPreambleLabel>
<TOCChapter Delete="false" Num="1">
<ChapterTitle>第一章 教育の目的及び理念</ChapterTitle>
<ArticleRange>(第一条―第四条)</ArticleRange>
</TOCChapter>
<TOCChapter Delete="false" Num="2">
・・・(略)・・・
</TOCChapter>
<TOCSupplProvision>
<SupplProvisionLabel>附則</SupplProvisionLabel>
</TOCSupplProvision>
</TOC>
まとめ
対応関係を改めて整理すると以下の通りです。

なお、目次は本文とは別に独立した構造として持たれているという点に、留意していただければと思います。次回、本文中にも、章・節等の記載は出てきます。
次回は、法令の本文(本則)に入っていければと思います。
(参考)