デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

法令標準XML入門(7)(「目次」と「章立て」を理解する)

はじめに

 前回の記事では、法令XMLに触れる前段として「そもそも法令とはどういう構造をしているのか」をざっくり整理しました。

 今回は、次の段階として、法令の目次・章立て構造と、それが法令XMLでどう表現されているかを見ていきます。

 

(法令は「階層構造」)

 日本の法令は、基本的に次のような階層構造を持っています。

  • 編(かなりレア)

  • 款(たまにある)

  • 目(かなりレア)

 すべての法令に全部あるわけではありませんが、重要なのは、大きなまとまり → 小さなまとまりへとネストしていく構造になっていることです。

 プログラミング的に言えば、完全にツリー構造ですが、ここで一点重要なポイントとしては、法的な効力を持つのは基本的に「条・項」単位ということがあります。「条」より上の、章・節等はあくまで条文をまとまりごとに整理のためのグルーピング(いわゆる「章立て」であって、実際のルールは「条・項」に書かれています。

 ですが、目次との関係では、章・節等が重要となります。

 

(目次は「構造の見える化」)

 多くの法律の冒頭には「目次」があります。(現行法律のだいたい3分の2くらいには、目次があります。)

 例えば、教育基本法では以下のような目次がついています。

  • 前文

  • 第一章 教育の目的及び理念(第一条―第四条)

  • 第二章 教育の実施に関する基本(第五条―第十五条)

  • 第三章 教育行政(第十六条・第十七条)

  • 第四章 法令の制定(第十八条)

  • 附則

 目次の付け方として、まず本則と附則の別、本則の中の章・節等の区分(章立て)と、それらに属する条文の範囲を(第○条 - 第○条)のように括弧で括って示します。

 目次は単なる見出しではなく、法令の構造そのものを圧縮表示したものです。法令の基本単位は「条」(条文)ですが、多くの条文が羅列されると分かりにくいので、章・節等として、内容のまとまりごとにグループ化して整理されることが通常です。内容のまとまりごとの「見出し」を示して、法令全体の構造を見える化する役割と担っているわけです。

 

(法令XMLではどう表現されるか)

 法令XMLでは、目次の構造をそのままタグで表現しています。

 まず、<TOC>(Table of Contents)が、目次を表す要素です。

 <TOC>(目次)の子要素は、 <TOCLabel>  <TOCPreambleLabel>  <TOCPart>  <TOCChapter>  <TOCSection>  <TOCArticle>  <TOCSupplProvision>  <TOCAppdxTableLabel>となっています。

以下、各子要素の説明です。

<TOCLabel> 目次のラベル

<TOCPreambleLabel> 目次中の「前文」

<TOCPart> 目次中の「編」

<TOCChapter> 目次中の「章」

<TOCSection> 目次中の「節」※款は節の子要素、目は款の子要素となる

<TOCArticle> 目次中の「条」※古い法律で目次に条を掲げるものがあったため。

<TOCSupplProvision> 目次中の「附則」

<TOCAppdxTableLabel> 目次中の「別表」

 まず、これらは、<TOC>(目次)の直下に並列して記載することができます。(編がない場合には、章を目次直下に記載できます。)

 

 また、「編」<TOCPart> について見ると、子要素として <PartTitle> | <ArticleRange> | <TOCSection> があります。 <PartTitle>は「編の見出し」、<ArticleRange> は編に属する「条文の範囲」、 <TOCChapter>は「章」です。(「章」については、「編」の子要素としても、上記の通り「編」と並列でも(<TOC>の子要素として)記載できることになります。) 

 「編」<TOCPart>の属性としては、以下の情報を追加できます。

  • Num(required): string
  • Delete(default: false): boolean

 Numは編の番号で必須です。Deleteは「削除」の場合で、稀に「第◯編 削除」などというきさが残る場合があるため、属性として準備されています。デフォルトがfalseなので記載を省略できます。

 「章」「節」等のタグの子要素や属性も基本的には、「編」と同様になっています。

 これらのタグで、目次の内容が表現されます。

 

 例えば、上記の教育基本法の目次を、XMLを見ると以下のような感じになっています。(Deleteの要素は省略されずに記載されていますね。)

 <TOC>
  <TOCLabel>目次</TOCLabel>
  <TOCPreambleLabel>前文</TOCPreambleLabel>
  <TOCChapter Delete="false" Num="1">
   <ChapterTitle>第一章 教育の目的及び理念</ChapterTitle>
   <ArticleRange>(第一条―第四条)</ArticleRange>
  </TOCChapter>
  <TOCChapter Delete="false" Num="2">
   ・・・(略)・・・

  </TOCChapter>
  <TOCSupplProvision>
   <SupplProvisionLabel>附則</SupplProvisionLabel>
  </TOCSupplProvision>
 </TOC>

 

まとめ

 対応関係を改めて整理すると以下の通りです。

 

 なお、目次は本文とは別に独立した構造として持たれているという点に、留意していただければと思います。次回、本文中にも、章・節等の記載は出てきます。

 

 次回は、法令の本文(本則)に入っていければと思います。

 

(参考)

houseikyoku.sangiin.go.jp

laws.e-gov.go.jp