デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

法令標準XML入門(8)(法令の本則の構造①:編・章・節・款・目)

はじめに

 前回まで、法令の名称や目次など、いわば外側の部分を扱ってきましたが、いよいよ今回から法令の中身・本文(本則)に当たる部分に入っていきます。

 今回は、改めて、法令の章立て構造のおさらいと、それが法令XMLの本則<MainProvision>の部分でどう表現されているかを見ていきます。

 

(法令は「入れ子構造」)

 全く前回のおさらいですが、日本の法令は、基本的に次のような階層構造を持っています。

  • 編(かなりレア)

  • 款(たまにある)

  • 目(かなりレア)

 編・章・節・款・目は、すべての法令で全てが存在するわけではありません。章・節などは比較的見かけますが、編や目などはかなりレアな存在です。

 法令の中心は条文でが、条文を中心にしつつ、それを束ねる形で階層構造を持っている、と理解したほうがわかりやすいかもしれません。上に上がるほど、大きなまとまり となっていく構造にです。

 条文を束ねる単位について、ざっくり言うと:

  • 章:大きなテーマ単位
  • 節:章の中のサブテーマ
  • 款:さらに細分化(やや実務的)
  • 目:条文レベルに近い整理

といったイメージです。今回はこの条文のまとまりを束ねる「章立て」の部分までを見ていきます。

 

(法令XMLでの表現)

<MainProvision>(本則)

 今回から扱う法令の中身は、<MainProvision>(本則)の要素に格納されます。

 <MainProvision>(本則)の子要素は、 <Part> | <Chapter> | <Section> | <Article> | <Paragraph>です。すでに目次のところで扱ったこととパラレルですが、編<Part>、章<Chapter>、節<Section>、条<Article>、項<Paragraph>が直下の子要素となっています。(章がなく、節だけの法令もありえるため、節も子要素になっています。また、項だけの法律としては「失火責任法」が有名です。)

 <MainProvision>(本則)の属性として、Extract: booleanとありますが、これは抄録(一部を抜粋して収録)している場合にtrueを指定するものです。

 

<Part>(編)、 <Chapter>(章)、<Section>(節) など

 <Part> (編)の子要素は、 <PartTitle> | <Article> | <Chapter>です。

 <PartTitle>は、「編」の題名です。(子要素は <Line> | <Ruby> | <Sup> | <Sub> | stringで、装飾付きの文字列で入力することができます。)

 

 <Part> (編)の属性は、以下のとおりです。

  • Num(required): string 編の番号
  • Delete(default: false): boolean 項目が削除扱いの場合にtrueを指定
  • Hide(default: false): boolean 項目が非表示の場合にtrueを指定

 基本的には、目次の要素の<TOCPart>と似た作りになっています。また、章・節・款・目についても子要素・属性はほぼ同様の作りになっていますので、以下は省略します。

 

 

 具体的な例

 抽象的な説明だと分かりにくいかと思いますので、一つ例を見てみます。

 民法の所有権のところが、ちょうど章・節・款とつづきますので、まず法律の記載を見ると以下の通りとなっています。

   第三章 所有権
    第一節 所有権の限界
     第一款 所有権の内容及び範囲

 

 これが、法令XMLだと、以下のように表記されます。(やや簡略化しています。)

  <Chapter Num="3">
   <ChapterTitle>第三章 所有権</ChapterTitle>
   <Section Num="1">
    <SectionTitle>第一節 所有権の限界</SectionTitle>
    <Subsection Num="1">
     <SubsectionTitle>第一款 所有権の内容及び範囲</SubsectionTitle>
     <Article>
      ・・・・(略)・・・・
     </Article>
    </Subsection>
   </Section>
  </Chapter>

 目次とは違って、本則の中では、入れ子構造で表現されていることに留意いただければと思います。

 

まとめ

 今回は、条文のまとまりを示す章・節等がどのようにXMLで記録されるかを見てきました。

 対応関係は、以下のとおりです。

 

 次回は、法令の条・項・号について説明できればと思います。やっと本題にたどり着きます。

 

(参考)

houseikyoku.sangiin.go.jp

laws.e-gov.go.jp