デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

第221回国会(特別会)のデジタル関係法(12)国会の空転と会期延長?

(デジタル関係の法案の状況)

 第221回国会(特別会)(令和8年2月18日~7月17日)における、内閣提出法案の状況は、内閣法制局のHPによると、7月3日時点で提出は63法案、成立件数は47となっています。国会が空転していますので、なかなか法案成立も増えませんね。。

 さて、デジタルに関係のありそうということでピックアップしていた以下の法案(すでに扱ったものは取り消し線を引いてます。)ですが、残りの個人情報保護法とデジタル行政推進法は、現在も参議院で一括審議中ですので、今回は進捗なしです。

金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案    金融庁

経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案    経済産業省

出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案    法務省

産業技術力強化法の一部を改正する法律案    経済産業省

携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案    総務省

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案    内閣府

情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案    内閣官房

個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案    個人情報保護委員会

学校教育法等の一部を改正する法律案    文部科学省

 

(国会の空転と会期延長)

 最近、国会の空転や会期延長がニュース等で話題になっているので、今回はそれらの関係規定を備忘的に見てみようかと思います。

国会の空転に関係する規定

 国会の空転に関する規定としては、まず委員会の開催に関するルールがありますね。これは国会法48条で「委員の半数以上の出席(定足数)」が必要と決まっています。通常は、理事会に諮って開催や日程を決めますが、協議が整わない場合には、委員長が職権で委員会を開催することがあります。この委員長の職権(召集権)の規定も国会法にあります(国会法49条、衆議院規則67条等)。(余談ですが、「委員長の職権」で委員会の日程を決定し召集することを、政治の世界では「職権で立てる」とか、「職権立て」とか言ったりするようです。)

 ですが、この職権開催に対して野党が反発して欠席(ボイコット)すると、与党だけで議事を行う「空回し」の状態になりまして、、これが国会空転の印象を強くするわけですね。。

◯国会法
第四十八条 委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。
第四十九条 委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

◯衆議院規則
第六十六条 委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持し、委員会を代表する。
第六十七条 委員長は、委員会の開会の日時を定める

 

会期延長に関係する規定

 国会の会期延長についても、国会法に根拠がありました。衆議院の優越があるようです。

◯国会法
第十二条 国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。
② 会期の延長は、常会にあつては一回、特別会及び臨時会にあつては二回を超えてはならない。

第十三条 前二条の場合において、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる

 

 そして、60日の延長という話については、以下の憲法59条の規定が関係がありますね。。

◯日本国憲法
第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
② 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
③ 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
④ 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる

 

 衆議院で可決した法案を参議院で審議してもらえない場合、60日が経過すれば「参議院で否決された」とみなすことができます(憲法59条4項)。その上で、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば、法案を成立させることが可能です(59条2項)。

 今の与党は、衆議院で3分の2を超える議席を有していますので、この「60日ルール」を使って参議院の議決をいわば「飛び越え」、法案を衆議院だけで成立させるとい戦略が浮上してきているのですね。。

 

 個人的には、国会の定足数が、本会議(憲法56条)と委員会(国会法49条)で違うことを忘れていたので、新鮮でした。。

◯日本国憲法
第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

 

 まったくブログの趣旨とかけ離れた内容になってしまいましたが、とりあえず、今回はここまでにします。

 

(参考)

www.clb.go.jp