デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

校務DXの進捗状況の公表について

(校務DXチェックリストのフォローアップ)

 12月26日に、文科省から、「校務DXチェックリスト」に基づく自己点検結果(速報値)が公表されていました。

www.mext.go.jp

 

 上記のHPには、都道府県教育委員会宛ての通知も掲載されていますが、今回のフォローアップ結果について、通知では、以下のような総括的な文言が盛り込まれていました。

令和5年度の自己点検時と比較して、校務DXの取組の進捗が見られたことは、各学校・学校設置者において、クラウド環境を活用した校務改善が積極的に行われたことの成果であると考えています。
一方で、取組の進捗状況には学校間・学校設置者間で大きな差が存在し、改善の余地は大きいと考えています。

 学校や市町村ごとの差が大きいということが、引き続き課題となっているようですね。

 

(令和5年度からの進捗)

 通知の別紙1では、今回の自己点検結果のポイントの記載があり、令和5年度からの進捗については、以下のような分析がされています。

令和5年度の自己点検時と比較して、
学校においては
・児童生徒の欠席・遅刻・早退連絡について、クラウドサービスを用い、PC・モバイル端末等から受け付け、集計
・学校から保護者へ発信するお便り・配布物をクラウドサービスを用いて一斉配信
学校設置者においては
教育委員会主催の研修アンケート等をクラウドサービスを用いて実施・集計
・校務支援システムの導入又は次期更改において、次世代型校務支援システムの導入を検討
といった項目で、「完全にデジタル化している」又は「一部している(半分以上)」(もしくはこれらに相当する選択肢)の回答割合が大幅に増加。

 特に保護者とのやり取りのデジタル化(※当方で赤文字にしました)などは、先生にも保護者にもメリットがあるので、大きく進んで良かったですね。

 

(教師の効果実感が高い項目)

 このほか、今回のフォローアップ調査の結果では、デジタル化による効果について、教師の実感が高かった項目についても公表されています。

 上位から5件を並べると、以下のようになっています。(アンケートの項目なので、それぞれの項目のためのデジタル化と読み替えてください。)

① 児童生徒の欠席・遅刻・早退連絡について、クラウドサービスを用い、PC・モバイル端末等から受け付け、学校内で集計していますか。
② 保護者への調査・アンケート等をクラウドサービスを用いて実施・集計していますか。
③ 保護者から学校への提出資料をクラウドサービスを用い、受け付けていますか。
④ 教職員への調査・アンケート等をクラウドサービスを用いて実施・集計していますか。
⑤ 校務支援システムへ新入学児童生徒の名簿情報を登録する際の主な入力方法を教えてください。

 

 また、「取り組んでいる学校の割合は比較的低いものの教職員の働き方の改善に対する効果実感が高かった項目」については、以下のようになっています。

① 保護者から学校への提出資料をクラウドサービスを用い、受け付けていますか。
② 保護者との日程調整をクラウドサービスを用いて行っていますか。
③ 教職員が作成した教材等をクラウド上で共有し活用していますか。
④ 「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」に基づき生成AIを校務で活用していますか。
⑤ 学校内外の行事日程、施設や特別教室の利用予約等について、クラウドサービスを使って共有し、いつでも確認できるようにしていますか。

「校務DXを促進するための取組に関する参考資料」より抜粋

 これらが、今後の「伸びしろ」になりそうですね。今後の進捗に期待したいと思います。

 

(参考)

https://www.mext.go.jp/content/20241225-mxt_jogai01-000033278_06.pdf