デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

第216回国会のデジタル関係法(3)12月24日までの状況(デジタル手続法)

(第216回国会への内閣提出法案はすべて成立)

 11月28日から12月24日まで開催されていた第218回国会での内閣提出法案9本の成立状況について、内閣法制局のHPを確認したところ、9本すべてが成立していました。

 法案9本の内訳は以下のとおりです。

1 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案 内閣官房
2 特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案 内閣官房
3 国家公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案 内閣官房
4 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部を改正する法律案 デジタル庁
5 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案 総務省
6 地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案 総務省
7 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案 法務省
8 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案 法務省
9 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案 防衛省

 

(デジタル手続法の改正法案の審議経過)

 デジタル手続法の改正法案については、衆議院で12月19日に可決された後、参議院の地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会(地・デジ特委)の審議(12月23日)を経て、24日に本会議で可決・成立しました。

 参議院のHPからの抜粋ですが、地・デジ特委では、以下のような質疑が行われたようです。

【主な質疑項目】
古賀之士 君(立憲)
・ガバメントクラウド利用料を円建て払いとするための交渉の必要性
・ガバメントクラウド上の個人情報の海外流出の可能性と防護措置
・ガバメントクラウドの経済性と運用経費等の削減に向けた対策
片山大介 君(維新)
特殊法人等のガバメントクラウドへの移行の見通し及び利用検討の努力義務の適用
クラウドサービス事業者の競争維持及びクラウドロックイン回避のための施策
・ガバメントクラウド先行事業でコスト高となった要因とシステムのモダン化による効果
礒崎哲史 君(民主)
・ガバメントクラウドへの移行を推進する上での目標設定
・経済安全保障の観点からのガバメントクラウドへの国内事業者参入の必要性及びその支援策
・海外事業者のクラウドサービスに公的機関が依存することのリスク
伊藤 岳 君(共産)
・標準準拠システムへの移行が困難なシステムを有する地方公共団体数の見通し
地方公共団体の情報システム標準化に対する支援の在り方
地方公共団体に対し共通SaaSの利用を推奨することが地方公共団体独自の取組を阻害することにつながる懸念

 ガバメントクラウドの対象となるクラウドサービスは、デジタル庁で決定していますが、現時点では、海外製のものしか対象となっていないため、そのことに起因する懸念点などが主に確認されているのかな、、という印象を持ちました。。単なる感想ですが。

 ちなみに、ガバメントクラウドの対象となるクラウドサービスは以下のとおりとなっています。

(令和4年度募集分)
Amazon Web Services
Google Cloud(※)
Microsoft Azure
Oracle Cloud Infrastructure

(令和5年度新規募集分)
さくらのクラウド(※2025年度末までに全ての要件を満たす条件付き)

 とりあえず、無事に改正が間に合ってよかったです。改正内容や衆議院での審議状況は、改めて確認しようと思います。

 

(参考)

www.sangiin.go.jp

www.digital.go.jp