デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

デジタル法令用語:ユニバーサルサービス(「あまねく」)

(だいたいの意味)  

 「ユニバーサルサービス」とは、国民生活に不可欠なサービスで、全国どこでも、すべての国民が利用できるよう確保されるべきサービスのことです。郵便や社会福祉などのサービスが、このような性格を持っていると思えば良いかと思います。

 デジタル技術の利用の前提となるネットワークのインフラも、ユニバーサルサービスとして提供されるべきものとして、法令上規定が置かれているため、記録しておくことにしました。

 

(法令上の定義)

 法令で、ユニバーサルサービスという語が使われている例はありません。その代わりに「あまねく日本全国において受信」(放送法)、「あまねく、公平に提供」(郵便法)、「情報通信技術の恵沢をあまねく享受できる社会」(デジタル社会形成基本法)のように、「あまねく」という用語の中に、その意味が込められています。


 (全ての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現)
第三条 デジタル社会の形成は、全ての国民が、高度情報通信ネットワークを容易にかつ主体的に利用するとともに、情報通信技術を用いた情報の活用を行うことにより、デジタル社会におけるあらゆる活動に参画し、個々の能力を創造的かつ最大限に発揮することが可能となり、もって情報通信技術の恵沢をあまねく享受できる社会が実現されることを旨として、行われなければならない。

 

(用例)

 「あまねく」の用例を検索すると、25件の法令がヒットします。郵便や放送・通信などの関係が多いですが、一例をあげると、例えばNTT法では、全国「あまねく」サービスを提供すべき旨が規定されています。

 

 (責務)
第三条 会社及び地域会社は、それぞれその事業を営むに当たつては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もつて公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。

 

 「あまねく」とは、あまり日常では使わないですが、「ユニバーサル」の方はどうでしょうか。(個人的には、ユニバーサルというゲームメーカーが昔あったなあと思い出すくらいなのですが、、今はパチスロ機の大手メーカーなのですね。)ユニバーサルで法令検索してみると、「ユニバーサル社会」という形で使われている例があり、こちらは障害の有無や年齢等に関わらず、といった意味合いのものでした。

 

(参考)

www.universal-777.com