(川崎の小学校 児童の個人情報記載の書類111人分を紛失)
以前に、個人情報の流出で、教師がどのような処分を受けているかについて、記事にしましたが、数日前にも小学校での個人情報記載書類の紛失に関する事案が報道されていました。
記事によると、「ことし3月、教員5人が、6年生の児童の指導要録の一部を抜粋した書類111人分を進学先の中学校に送るため金庫から取り出し、会議室の机に置いて作業を行っていました。しかし、およそ40分後、机の上から書類がなくなっていることに気づいて学校内などを探しましたが見つからなかった」とのことです。。。
(指導要録とは?)
ちなみに、指導要録というのは、在学する児童生徒の学習の記録として、学校が作成しなければならない書類で、「学籍に関する記録」と「指導に関する記録」から構成されています。
指導要録の保存年限は、指導に関する事項は5年。学籍に関する事項は20年となっています。。
◯学校教育法施行規則
第二十八条 学校において備えなければならない表簿は、概ね次のとおりとする。
四 指導要録、その写し及び抄本並びに出席簿及び健康診断に関する表簿
② 前項の表簿(第二十四条第二項の抄本又は写しを除く。)は、別に定めるもののほか、五年間保存しなければならない。ただし、指導要録及びその写しのうち入学、卒業等の学籍に関する記録については、その保存期間は、二十年間とする。
この指導要録は、児童生徒の進学の際に、進学先の学校に送付することとされています。今回の紛失も、その作業中に起きたものですね。
第二十四条 校長は、その学校に在学する児童等の指導要録(学校教育法施行令第三十一条に規定する児童等の学習及び健康の状況を記録した書類の原本をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。
② 校長は、児童等が進学した場合においては、その作成に係る当該児童等の指導要録の抄本又は写しを作成し、これを進学先の校長に送付しなければならない。
(指導要録のデジタル化は?)
指導要録の作成・保存は、公立学校の場合は、(公立学校が行政機関として書類を作成・保存するものですので)デジタル手続法第6条に基づいて、デジタル化(データでの保存)が可能となっています。また、私立学校の場合は、eー文書法第3条に基づいて、デジタル化が可能となっています。
これらのことは、過去の文科省の通知でも示されているところで、各学校で導入する校務支援システムにも、作成・保存の機能は搭載されていると思います。特に、小学校から中学校への進学は、同一市町村内ですし、データで送付が行われるようになると、このような個人情報流出(紛失)に関する事案の防止にも役立つかもしれませんね。
(ポイント)
・指導要録を進学先に送付する作業中に、書類を紛失した事例が報道された。
・デジタル手続法等に基づき、指導要録の電子化は可能で、周知もされている。
(参考)