デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

e-文書法に基づく主務省令(1)外務省令

e-文書法に基づく主務省令)

 前回まで、デジタル手続法に基づく主務省令を見て、個人的には、いろいろと気づきを得ることもできたので、同様に、主務省令でのデジタル化を定めるe-文書法の「主務省令」についても、いくつか実際の定め方の例を見ておきたいと思います。

 なお、e-文書法は、民間事業者等に対して、法令等で書類等の書面での作成や保存等が必要とされている場合でも、各府省が「主務省令」で定めることで、書面に代えて、電磁的記録での作成・保存等ができるようにするという趣旨の法律です。すごく大雑把に言えばですが。。

 e-文書法に基づく「主務省令」については、個別法律ごとに定めているものもありますが、各省の所管法令に通則的に適用されるものが、典型的なものかと思いますので、まずは、外務省令を例に見てみたいと思います。

 

e-文書法に基づく外務省令)

 e-文書法に基づく、外務省の「主務省令」として定められているのは、「外務省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」になります。

 全体の構成としては、以下の通り、4条(と別表)で構成されています。最も単純そうだったので、最初に選んでみました。

第一条(趣旨)
第二条(定義)
第三条(法第三条第一項の主務省令で定める保存)
第四条(電磁的記録による保存)

 

 趣旨、定義について、第1条、第2条で、ごく簡単な規定が置かれた後で、第3条では、主務省令の対象となる保存行為について、別表で定めることとしています。これは、行政手続全般に原則適用となるデジタル手続法と異なり、e-文書法では、以下のように、対象を主務省令で定めることが求められているためです。

e-文書法

(電磁的記録による保存)
第三条 民間事業者等は、保存のうち当該保存に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないとされているもの(主務省令で定めるものに限る。)については、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、書面の保存に代えて当該書面に係る電磁的記録の保存を行うことができる。

 

 なお、外務省の「主務省令」の別表1では、「外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令(昭和五十二年外務省令第二号)」の「第二十六条第一号(書類に限る。)、第二号(書類に限る。)、第三号、第四号(証拠書類に限る。)、第五号及び第六号」のみが掲げられています。

 

(保存に関する規定)

 最後に、この省令の主要部分と思われる、保存に関して定める第4条の条文は、以下のとおりとなっています。

(電磁的記録による保存)
第四条 民間事業者等が、法第三条第一項の規定に基づき、別表第一の上欄に掲げる法令の同表の下欄に掲げる規定に基づく書面の保存に代えて当該書面に係る電磁的記録の保存を行う場合及び別表第二の上欄に掲げる法令の同表の下欄に掲げる規定に基づき、電磁的記録による保存を行う場合は、次に掲げる方法のいずれかにより行わなければならない
一 作成された電磁的記録を民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクシー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物(以下「磁気ディスク等」という。)をもって調製するファイルにより保存する方法
二 書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み取ってできた電磁的記録を民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法

 前回まで見てきた、デジタル手続法に基づく総務省令、厚生労働省令、国土交通省令などと同じような規定ぶりですが、少し旧くなっているのかなという感じがしますね。

 

 外務省令については、本当に最小限のことを定めている感じですので、他の例についても、次回見てみたいと思います。

 

(参考)

ura49.hateblo.jp