デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

デジタル法令用語:情報技術、情報通信技術

(だいたいの意味)  

 「情報技術」も「情報通信技術」も、概ね、コンピューターを使って、電子的なデータを作成したり、処理したり、交換したりする技術のことです。最近では、デジタル技術という言葉が使われますが、ほぼ同義で置き換えて通じると思います。

 e-Gov法令検索では、「情報通信」は33件、「情報通信技術」は605件がヒットします。

 「情報通信技術」の方は、デジタル手続法や行政キャッシュレス化法などの正式な名称にも含まれていますので、引用される場合だけでも相当数になると思います。

 ちなみに、e-文書法(電子文書法)の正式名称では、「情報通信の技術」と「の」が入っています。どうでもいいことですが、気になりますね。。以下、参考まで、それぞれの正式名称を記載しておきます。

デジタル手続法
情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)

e-文書法
◯民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十六年法律第百四十九号)

行政キャッシュレス化法
情報通信技術を利用する方法による国の歳入等の納付に関する法律(令和四年法律第三十九号)

 

(法令上の定義)

 情報技術も情報通信技術も、法令ての定義は置かれていません。ただ一般的には、情報技術はITの訳、情報通信技術はICTの訳に当たるのだと思います。

 ITは米国で主に使われていて、ICTは欧州で使われているとか、通産省(当時)がITを使っていて、郵政省(当時)がICTを使ってたとか、そういう噂話を聞いたことがありますが、真偽の程は定かではありません。ご存じの方がいたらご教示ください。

 個人的には、2000年頃にはIT革命と言われていたのは記憶していますが、その後、ICTの方が使われるようになった気がします。

 

(用例)

 法令の規定ぶりとしては、「◯◯その他の情報通信技術を利用」などのような形で、デジタル化を推進する際の規定でよく用いられています。

 

特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)
(情報通信技術の利用のための措置)
第八条 政府は、この法律の施行後速やかに、特定非営利活動促進法に基づく事務又は業務に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るため、当該事務又は業務について、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信技術を利用する方法により行うことができるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。

 

 個人的には、「デジタル技術」という用語にがんばってほしいのですが、こちらの用例は、省令の2件だけでした。残念です。