(どんな法律なのか)
デジタルプラットフォーム取引透明化法(特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律)は、デジタルプラットフォームを巡る取引の透明性や公正性などについての課題(一方的な規約変更や取引拒絶の理由が示されないといったこと・・・)に対応するために制定された法律で、一定規模以上のデジタルプラットフォーム提供者に対して、取引条件等の情報の開示、運営における公正性確保、運営状況の報告を義務付けることなどを定めています。
(デジタルプラットフォームの定義)
この法律では、一定規模以上のデジタルプラットフォームを提供する事業者を、経済産業大臣が「特定デジタルプラットフォーム提供者」として指定し、指定された事業者には、取引条件などの情報開示などの義務が課されるという仕組みになっています。
より具体的には、事業者が開示に従わない場合などの勧告や命令など、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する措置等が定められていますが、詳細は経産省のHPに譲るとして、とりあえず、デジタルプラットフォームの定義に関する条文を見てみたいと思います。
(定義)
第二条 この法律において「デジタルプラットフォーム」とは、多数の者が利用することを予定して電子計算機を用いた情報処理により構築した場であって、当該場において商品、役務又は権利(以下「商品等」という。)を提供しようとする者の当該商品等に係る情報を表示することを常態とするもの(次の各号のいずれかに掲げる関係を利用したものに限る。)を、多数の者にインターネットその他の高度情報通信ネットワーク(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第一号に規定する放送に用いられるものを除く。)を通じて提供する役務をいう。
一 当該役務を利用して商品等を提供しようとする者(以下この号及び次号において「提供者」という。)の増加に伴い、当該商品等の提供を受けようとする者(以下この号において「被提供者」という。)の便益が著しく増進され、これにより被提供者が増加し、その増加に伴い提供者の便益が著しく増進され、これにより提供者が更に増加する関係
二 当該役務を利用する者(提供者を除く。以下この号において同じ。)の増加に伴い、他の当該役務を利用する者の便益が著しく増進され、これにより当該役務を利用する者が更に増加するとともに、その増加に伴い提供者の便益も著しく増進され、これにより提供者も増加する関係
とても長いのですが、カッコ書きなどを省略すると、「「デジタルプラットフォーム」とは、多数の者が利用することを予定して電子計算機を用いた情報処理により構築した場であって、当該場において商品等を提供しようとする者の当該商品等に係る情報を表示することを常態とするものを、多数の者にインターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて提供する役務をいう。」となりますね。
インターネット上で商品等を販売しようとする事業者の商品等に関する情報を掲載する場をインターネット上で提供するサービス(役務)ということになるでしょうか。。いずれにしても、この法律では、プラットフォームはインターネット上で場を提供するサービスとして定義されています。
(指定されているデジタルプラットフォーム提供者の例)
プラットフォームの定義は上記のとおりですが、なかなか条文だとイメージが湧きませんので、具体的な事業者やプラットフォームの例を確認するため経産省のHPを見てみたところ、以下のような事業者が指定されていることが掲載されていました。
◯総合物販のオンラインモール運営事業者(五十音順)
アマゾンジャパン合同会社 Amazon.co.jp
楽天グループ株式会社 楽天市場
LINEヤフー株式会社 Yahoo!ショッピング
◯アプリストア運営事業者(五十音順)
Apple Inc.及びiTunes株式会社 App Store
Google LLC Google Playストア
なお、上記は、指定事業者の一部になりますので、詳しくは、以下のHPを参照いただければと思います。
デジタルプラットフォームを運営する事業者の方 (METI/経済産業省)
あまり法律の説明になっていないかもしれませんが、もともとデジタルプラットフォームの定義を確認しようと思ったもので、、とりあえず、ここまでにします。。
余談ですがこの法律の英語訳は、以下のとおりです。英語のほうがすっきりしている気がします。。
特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律
Act on Improving Transparency and Fairness of Digital Platforms
(参考)