デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

1月最終週の状況

(第217回通常国会での代表質問)

 1月24日に召集された通常国会では、同日に衆・参の本会議で総理大臣の施政方針演説が行われましたが、1月最終週の27日から29日には、衆・参の本会議で代表質問が行われました。

 まだ、議事録等は公開されていないようですが、「能動的サイバー防御」の法整備に向等に関する質疑などが行われているようです。以下のようなニュースもありました。

www.sankei.com

 

(個人情報保護シール)

 学校の個人情報に関するニュースでは、以下のようなものがありました。

news.yahoo.co.jp

 これは、小中学校の入学通知書に町の教育委員会個人情報保護シールを貼り忘れて通知はがきを送ったというもののようです。デジタルに関するものではないですが、小中学校等への就学事務は、自治体システム標準化法の20業務に当たるので、ちょっと気になりました。(システム標準化法の説明は後に回すとして、、)法律でシステムの標準化や自治体(教育委員会)での導入が推進されている一方で、通知はやはり上で、シールをはらないといけないとすると、、手作業がかなり大変ですね。。

 全部は無理だとしても、母子手帳アプリや、子育て支援アプリなどで、自治体から保護者に通知する方法にすれば負担が減らせないかな、、などと思いましたが、、単なる個人の感想です。。(塙町のHPを見たのですが、報道発表資料などの1次資料は確認できませんでした。。)

 

地方自治体のシステムの標準化等)

自治体システム標準化法

 (過去の記事の焼き直しですが、)自治体システム標準化法は、地方自治体の情報システムについて、必要な機能などの基準を策定し、自治体のシステムの標準化を推進するという内容の法律で、正式名称は、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」です。デジタル庁設置法、デジタル社会形成基本法などとともに、2021年に審議・成立しています。

 標準化の対象となるシステムについては、第2条で、各自治体で共通するような事務について政令で定めることとされています。

地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(令和三年法律第四十号)
 (定義)
第二条 この法律において「地方公共団体情報システム」とは、地方公共団体が利用する情報システムであって、情報システムによる処理の内容が各地方公共団体において共通し、かつ、統一的な基準に適合する情報システムを利用して処理することが住民の利便性の向上及び地方公共団体の行政運営の効率化に寄与する事務として政令で定める事務(以下「標準化対象事務」という。)の処理に係るものをいう。

 この規定を受けて、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律第二条第一項に規定する標準化対象事務を定める政令」等で、児童手当の支給など20の事務が標準化対象事務として定められています。これらが「20業務」と呼ばれていて、教育委員会が行う小中学校等への就学事務も、この「20業務」に含まれています。

 

情報システムの適正な利用

 昨年の地方自治法の改正で、「地方公共団体は、事務の種類・内容に応じ、情報システムを有効に利用するとともに、他の地方公共団体又は国と協力し、その利用の最適化を図るよう努めることとする。」(法案概要資料より)という旨の、情報システムの適切な利用に関する義務も設けられています。

 新設された条文は、以下のとおりです。

 (情報システムの利用に係る基本原則)
第二百四十四条の五 普通地方公共団体は、その事務を処理するに当たつて、事務の種類及び内容に応じ、第二条第十四項及び第十五項の規定の趣旨を達成するため必要があると認めるときは、情報システムを有効に利用するとともに、他の普通地方公共団体又は国と協力して当該事務の処理に係る情報システムの利用の最適化を図るよう努めなければならない。
2 (略)

 

 とりあえず、先週はあまり動きがありませんでしたので、今回はここまでにします。

 

(参考)

www.kantei.go.jp