(地方統一QRコード)
地方税の納付については、以前からeLTAXを通じた電子納付が可能となっていましたが、2023年4月から、地方税統一QRコード(eL-QR)を活用した地方税の納付が開始されました。
固定資産税や自動車税などについて、今後、地方自治体から送付される納付書に付されたQRコードを読み取ることで、eLTAX内の特設サイトや、○○ペイなどの決済アプリを通じたキャッシュレス納付ができる仕組みとなっています。
なお、eLTAXは、地方税共同機構が運営する地方税共通納税システムですが、地方税法第747条の6で、eLTAXを利用して行う納付(「特定徴収金の収納」)については、地方自治体が地方税共同機構に行わせることが定められています。
◯地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
(特定徴収金の収納の特例)
第七百四十七条の六 地方団体は、特定徴収金の収納の事務については、政令で定めるところにより、機構に行わせるものとする。
2 前項の「特定徴収金」とは、地方税に係る地方団体の徴収金のうち、納税義務者又は特別徴収義務者が総務省令で定める方法により納付し、又は納入するものをいう。
3 (略)
法律の規定だけだと一見よくわかりませんが、第2項にある「総務省令で定める方法」が、地方税施行規則で定められていて、要すれば、eLTAXを利用する方法が「総務省令で定める方法」として定められています。
◯地方税法施行規則(昭和二十九年総理府令第二十三号)
(法第七百四十七条の六第二項の総務省令で定める方法)
第二十四条の四十三 法第七百四十七条の六第二項に規定する総務省令で定める方法は、次の各号のいずれかに該当する方法とする。
一 機構の使用に係る電子計算機と電気通信回線を通じて通信できる機能を備えた電子計算機から、地方団体の徴収金の納付若しくは納入の手続に利用することができる入出力用プログラム又はこれと同様の機能を有するものを使用して地方団体の徴収金の納付又は納入に関する書類に記載すべきこととされている事項を機構の使用に係る電子計算機に送信した上で、機構から得た個々の納付又は納入を識別するために当該事項に基づき機構が割り当てる符号を用いて納付し、又は納入する方法
二 地方団体の徴収金の納付又は納入に関する書類であつて次に掲げる符号が記載されているもの又は次に掲げる符号を用いて納付し、又は納入する方法
イ ロに掲げる符号を電気通信回線を通じて機構の使用に係る電子計算機に送信するための符号
ロ 個々の納付又は納入を識別するために地方団体が割り当てる符号
2 (略)
(地方税共同機構)
地方税共同機構は、地方税法第9章(第761条~第803条)の規定に基づいて設立された地方共同法人(地方自治体が共同で運営する法人)で、地方税に関する事務の合理化や納税者などの利便の向上を目的に、eLTAXの管理・運営などの業務を行っています。
目的を定める地方税法の条文は、以下のとおりです。
(目的)
第七百六十一条 地方税共同機構(以下この章において「機構」という。)は、地方団体が共同して運営する組織として、機構処理税務事務を行うとともに、地方団体に対してその地方税に関する事務に関する支援を行い、もつて地方税に関する事務の合理化並びに納税義務者及び特別徴収義務者の利便の向上に寄与することを目的とする。
(eLTAXの歴史)
Wikipediaからの引用ですが、もともと、eLTAXは、全国の自治体が会員の一般社団法人で運営されていたようですが、地方税共同機構の設立の規定と合わせて、法的な位置づけが整理されたようです。
従来、地方税の手続をオンラインで受け付けるeLTAXは、全国の都道府県・市町村・特別区が会員となった地方税電子化協議会が運営していた。この協議会は、一般社団法人という民間法人の組織形態であるため、総務大臣の監督に服しない、役員・職員の守秘義務が法定されていないなど、eLTAXを安全かつ安定的に運営するためには法的に不十分な点があった。
そこで、地方共同法人として地方税共同機構を設立し、eLTAXの運営を地方税電子化協議会から引き継ぐこととした。第196回国会による平成30年度税制改正による地方税法改正により成立し、2019年4月1日に施行された[2]。 地方税共同機構については、総務大臣の監督権限[3]、役員・職員等の守秘義務・罰則[4]、役員・職員をみなし公務員とすること[5]などの規定が整備された。
(参考)