デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

キャッシュレス法が成立しました(1)

(キャッシュレス法の成立)

 4月27日に、国への納付金の支払い方法の多様化を進める「キャッシュレス法」が成立しました。国に納める納付金について、クレジットカードや電子マネー、コンビニ決済などデジタルを活用したキャッシュレスでの支払いが認められるようになります。自宅からの支払いもできるようになれば、便利になりますね。この法律は、昨年9月に設立されたデジタル庁として第一号の提出法案が成立したものとなっています。とても、おめでたいことと思います!

 

(対象は、国に納める金銭)

 でも、今でも自動車税とかは、コンビニで支払ってるけど。。 と思われる方が(私以外にも)いらっしゃると思いますが、それは地方自治体への納付金ですね。地方自治体の税金や手数料については、それぞれの自治体の条例でキャッシュレス化が進められていました。すでに地方自治法は改正されていて、キャッシュレスが可能である旨が、法律上も明確に示されていると聞きましたが、、よく知らないので、また調べておきます。

 いずれにしても、今回の法律で対象となるのは、国に納める納付金で、交通反則金、パスポートや車検の手数料などが、対象となります。

 

(できる規定)

 キャッシュレス法の仕組みですが、各省庁にキャッシュレス化の裁量を与える「できる規定」になっています。キャッシュレス法に基づいて、直接クレジットカード等での支払いが可能となるわけではなく、各省庁が省令等で定めることでキャッシュレス化ができる、という仕組みになっています。

 例えば、ある法律で現金納付が定められていると、その法律の下で定められる省令等では、(省令は、法律の範囲内でしか定められませんので、)キャッシュレスの方法を定めることができません。ですが、キャッシュレス法ができたことで、そのような場合にも、キャッシュレス法の規定を根拠として、省令等で定めればキャッシュレス化ができるようになる、というわけです。

 このように、元の法律の規定ではできないけど、別の法律で定めることでデジタル化ができるようにするという仕組みは、今回のキャッシュレス法が初めてではなく、行政手続のオンラン化を認めた「デジタル手続法」等でも、同様の仕組みがとられています。

 

 ということで、法律上の措置はできましたが、今後は、キャッシュレス化の裁量を与えられた各省庁がちゃんと省令等を定めるように促したり、システム等の技術的な支援を行うことが、デジタル庁の重要な役割になるのかな、と勝手に思っています。。

 

(参考)

www.digital.go.jp