デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

第212回国会のデジタル関係法(1)金融商品取引法の改正

 第212回国会となる秋の臨時国会が、12月12日に閉会となりました。この臨時国会で成立した法律のうち、デジタル関係の法改正を見ていきたいと思います。最近、学校のデジタル化に関することをまとめていたので一区切りついてから、、と思っていたのですが、今年中に見ておかないと、1月には通常国会が始まってしまいますので、簡単にでも見ておきたいと思います。

 

金融商品取引法等の一部を改正する法律)

 まず今回は、211回国会からの継続案件となっていた「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」について見てみます。

 提出理由は、以下の通りです。

我が国の金融及び資本市場をめぐる環境変化に対応し、金融サービスの顧客等の利便の向上及び保護を図るため、顧客等の最善の利益を勘案しつつ、誠実かつ公正に業務を遂行すべき義務の規定の整備、顧客等への契約締結前の説明義務等に係る規定の整備、インターネットを用いてファンド形態で出資を募り企業等に貸し付ける仕組みを取り扱う金融商品取引業者に係る規制の整備等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

 この赤文字の部分は、いわゆるソーシャルレンディングに対する規制のことを指しているものですが、概要資料を見ると、このほかにも、デジタル化の進展等に対応した顧客等の利便向上・保護に係る改正内容があるようです。

 

(デジタルに関する改正の概要)

 今回の改正の概要資料を見ると、「その他のデジタル化の進展等に対応した顧客等の利便向上・保護に係る施策」として、以下のような内容が記載されています。

 

ソーシャルレンディング(注)等を行う第二種金融商品取引業者について、投資家に適切な情報提供等が行われなかった事例を踏まえ、運用報告に関する規定を整備
 (注)インターネットで集めた出資を企業に貸し付ける仕組み

■不動産特定共同事業契約(注) をトークン(デジタル)化する動きが見られていることを踏まえ、他の電子記録移転権利と同様、当該トークンに金融商品取引法のルールを適用
 (注)出資を募って不動産で運用し、収益を分配する仕組み

金融商品取引業者等のウェブサイトにおいて、営業所に掲示する標識と同内容の情報公表を義務付け

■虚偽の財務書類の開示を行った企業等に対する課徴金納付命令に係る審判手続のデジタル化

 

(具体的な条文など)

 改正内容の1つ目であるソーシャルレンディングへの規制については、新たに、「電子募集業務」の定義が置かれています(下線部が追加)が、素人には、ほぼ何を書いてあるかわかりません。

 (登録の申請)
第二十九条の二 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

六 第三条各号に掲げる有価証券又は金融商品取引所に上場されていない有価証券(政令で定めるものを除く。)について、電子募集業務(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものにより第二条第八項第七号又は第八号に掲げる行為(政令で定めるものを除く。)を業として行うことをいう。以下この章において同じ。)又は電子募集取扱業務(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものによ
り同項第九号に掲げる行為を業として行うことをいう。以下この章において同じ。)を行う場合にあつては、その旨

 なお、改正内容の3つ目のインターネット上での標識公表の義務付けは、通常国会で、「デジタル規制改革推進一括法」(デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律)で、「書面掲示規制」を定める62法律について、インターネットによる閲覧等を可能とするための一括改正が行われたものと同趣旨の改正です。

 また、改正内容4つ目の審判手続のデジタル化は、民事訴訟手続のデジタル化を含む改正民事訴訟法が2022年に成立したことを踏まえたものとなっています。

 

(参考)

ura49.hateblo.jp

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