デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

IT書面一括法について(5)農林水産省関係②

農林水産省関係②(第27条〜第33条))

 過去3回に続き、2000年にIT書面一括法で改正された法律について、実際の条文を見ていきます。今回は、農林水産省関係の法律で、前回の積み残し分です。

 これまでと同様、デジタル化を可能とするために追加された部分に下線を引き、内容が読み取りやすいよう、主要な部分を赤字としています。(なお、デジタル化を可能とする部分以外の細かい改正などは省略しています。正確性には、多少目をつむってください。。)

 では、単調な作業になりそうな予感がしますが、順次見ていきます。

◯輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)

第十二条 (略)

2 (略)

3 組合員は、定款の定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)により行うことができる

4、5 (略)

6 (略)この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる

 

◯農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)

第十七条 (略)

2 (略)

3 会員は、定款で定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて主務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により行うことができる。

4 (略)

5 (略)この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる

 

第二十四条 (略)

2 (略)

3 前項の場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による出資の引受けに代えて、出資の引受けを当該電磁的方法により行うことができる。この場合において、当該発起人及び当該会員たる資格を有する者は、当該書面による出資の引受けをしたものとみなす。

4~8 (略)

 

第三十八条 (略)

2 前項の場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項及び理由を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該会員は、当該書面を提出したものとみなす。

3 (略)

 

◯漁業災害補償法(昭和三十九年法律第百五十八号)

第十六条

2 (略)

3 組合員は、定款で定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)により行うことができる

4 (略)

5 (略)この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる

 

第三十一条 (略)

2 前項の場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項及び理由を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該組合員は、当該書面を提出したものとみなす。

3 (略)

 

第四十五条 (略)

2、3 (略)

4 前項の場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による出資の引受けに代えて、出資の引受けを当該電磁的方法により行うことができる。この場合において、当該組合員たる資格を有する者は、当該書面による出資の引受けをしたものとみなす。

5~9 (略)

 

◯海洋水産資源開発促進法(昭和四十六年法律第六十号)

第十二条の五 (略)

2 前項の場合において、水産業協同組合法第二十一条第三項の規定により電磁的方法(同法第十五条の二第四項に規定する電磁的方法をいう。)により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による同意に代えて、前項各号に掲げる事項についての同意を当該電磁的方法により得ることができる。この場合において、当該漁業協同組合は、当該書面による同意を得たものとみなす。

3~5 (略)

 

◯沿岸漁場整備開発法(昭和四十九年法律第四十九号)

第九条 (略)

2 前項の場合において、水産業協同組合法第二十一条第三項の規定により電磁的方法(同法第十五条の二第四項に規定する電磁的方法をいう。)により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による同意に代えて、当該育成水面の区域及び育成水面利用規則についての同意を当該電磁的方法により得ることができる。この場合において、当該漁業協同組合は、当該書面による同意を得たものとみなす。

3〜5 (略)

 

森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)

第二十六条 (略)

2 前項の場合において、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による同意に代えて、同項の事業を行うことについての同意を当該電磁的方法により得ることができる。この場合において、当該出資組合は、当該書面による同意を得たものとみなす。

3 (略)

 

第三十一条 (略)

2、3 (略)

4 組合員は、定款で定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法により行うことができる

5、6 (略)

7 (略)この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる

 

第五十九条 (略)

2 (略)

3 前項の場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項及び理由を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該組合員は、当該書面を提出したものとみなす。

4 (略)

 

◯持続的養殖生産確保法(平成十一年法律第五十一号)

第六条 (略)

2 前項の場合において、水産業協同組合法第二十一条第三項の規定により電磁的方法(同法第十五条の二第四項に規定する電磁的方法をいう。)により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による同意に代えて、当該漁業権行使規則又は入漁権行使規則の変更についての同意を当該電磁的方法により得ることができる。この場合において、当該漁業協同組合は、当該書面による同意を得たものとみなす。

3~5 (略)

 

 以上で、前回と合わせて、農水省関係の13本の法律を見終わりました。農水省の法律は、全て会議体での議決権の行使や参加等に関するものでした。省庁によって、所管している法律にも特色があることの一端がわかったようで、少しうれしいです(と自分に言い聞かせています。)。

 昨今のコロナ禍で、バーチャルでの理事会等の開催の可否が話題になることがありますが、その先鞭をつけてくれている改正のような気がしました。余談ですが、法令上、開催場所に関する規定がある場合、開催場所を観念できないバーチャルオンリーでの会議開催はできないため、そのための法令改正を行っている例もあります。一方で、実務上は、議長の所在する場所を開催場所とし、オンラインでの参加を認めることで、実質上、バーチャルオンリーと変わらないハイブリッド型で開催するという解決策もとられていますね。この話題は、また機会があればにします。

 

 さて、IT書面一括法については、あと経済産業省国土交通省が残っていますが、果たして見ていく意味があるのでしょうか。。でも、ここまで来たら、何も考えず最後まで進もうと思います。

 

(参考)

hourei.ndl.go.jp

ura49.hateblo.jp

www.meti.go.jp

www.meti.go.jp