デジタル化に関する法制度の備忘録

行政手続等のオンライン化やキャッシュレス化など、デジタル化に関する法制度について書いてます。

IT書面一括法について(7)国土交通省関係

国土交通省関係(第44条〜第50条))

 これまで5回にわたって、2000年に成立したIT書面一括法で改正された法律について、実際の条文を見てきましたが、今回の国土交通省関係の法律で最後になります。

 これまでと同様、デジタル化を可能とするために追加された部分に下線を引き、内容が読み取りやすいよう、主要な部分を赤字としています。(なお、デジタル化を可能とする部分以外の細かい改正や準用規定のみの追加などは省略しています。)

 それでは、順次見ていきましょう。

 

◯建設業法(昭和二十四年法律第百号)

第十九条 (略)

2 (略)

3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

 

第十九条の二 (略)

2 (略)

3 請負人は、第一項の規定による書面による通知に代えて政令で定めるところにより、同項の注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより通知することができる。この場合において、当該請負人は、当該書面による通知をしたものとみなす。

4 注文者は、第二項の規定による書面による通知に代えて政令で定めるところにより、同項の請負人の承諾を得て、監督員に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより通知することができる。この場合において、当該注文者は、当該書面による通知をしたものとみなす。

 

第二十二条 (略)

2、3 (略)

4 発注者は、前項の規定による書面による承諾に代えて政令で定めるところにより、同項の元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該発注者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。

 

第二十三条 (略)

2 注文者は、前項ただし書の規定による書面による承諾に代えて政令で定めるところにより、同項ただし書の規定により下請負人を選定する者の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項ただし書の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該注文者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。

 

◯測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)

第五十六条の二 (略)

2 (略)

3 注文者は、前項の規定による書面による承諾に代えて政令で定めるところにより、同項の元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該注文者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。

 

第五十六条の四 (略)

2 注文者は、前項ただし書の規定による書面による承諾に代えて政令で定めるところにより、同項ただし書の規定により下請負人を選定する者の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項ただし書の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該注文者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。

 

建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)

第二十条 (略)

2 (略)

3 建築士は、前項の規定による文書での報告に代えて政令で定めるところにより、当該建築主の承諾を得て、当該結果を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより報告することができる。この場合において、当該建築士は、当該文書での報告をしたものとみなす。

4 (略)

 

宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

第四十一条 (略)

2〜4 (略)

5 宅地建物取引業者、次の各号に掲げる措置に代えて、政令で定めるところにより、第一項に規定する買主の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各号に掲げる措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講じることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各号に掲げる措置を講じたものとみなす。

一 第一項第一号に掲げる措置のうち、当該保証委託契約に基づいて当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付する措置

二 第一項第二号に掲げる措置のうち、保険証券に代わるべき書面を買主に交付する措置

 

第四十一条の二 (略)

2〜5 (略)

6 宅地建物取引業者、次の各号に掲げる措置に代えて、政令で定めるところにより、第一項に規定する買主の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各号に掲げる措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講じることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各号に掲げる措置を講じたものとみなす。

一 第一項第一号に掲げる措置のうち、当該手付金等寄託契約を証する書面を買主に交付する措置

二 第一項第二号に掲げる措置のうち、当該質権設定契約を証する書面を買主に交付する措置

 

◯旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)

第十二条の四 (略)

2 (略)

3 旅行業者等は、前項の規定による書面の交付に代えて政令で定めるところにより、旅行者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該旅行業者等は、当該書面を交付したものとみなす。

 

第十二条の五 (略)

2 旅行業者等は、前項の規定により書面を交付する措置に代えて政令で定めるところにより、旅行者の承諾を得て、同項の国土交通省令で定める事項を通知する措置又は当該旅行に関するサービスの提供を受ける権利を取得させる措置であつて国土交通省令で定めるものを電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより講ずることができる。この場合において、当該旅行業者等は、当該書面を交付したものとみなす。

 

◯積立式宅地建物販売業法(昭和四十六年法律第百十一号)

第三十四条 (略)

2 (略)

3 積立式宅地建物販売業者は、第一項の規定による積立式宅地建物販売契約約款の交付に代えて政令で定めるところにより、同項に規定する積立式宅地建物販売の相手方の承諾を得て、当該積立式宅地建物販売契約約款に記載された事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該積立式宅地建物販売業者は、当該積立式宅地建物販売契約約款を交付したものとみなす。

4 積立式宅地建物販売業者は、第二項の規定による書面の交付に代えて政令で定めるところにより、同項に規定する積立式宅地建物販売の契約の相手方の承諾を得て、同項各号に掲げる事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより通知することができる。この場合において、当該積立式宅地建物販売業者は、当該書面を交付したものとみなす。

 

◯建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成十二年法律第百四号)

十三条 (略)

2 (略)

3 対象建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって、当該各項の規定による措置に準ずるものとして主務省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該主務省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

 

第十八条 (略)

2 (略)

3 対象建設工事の元請業者は、第一項の規定による書面による報告に代えて政令で定めるところにより、同項の発注者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものにより通知することができる。この場合において、当該元請業者は、当該書面による報告をしたものとみなす。

 

 国交省関係は、以上の7本です。業法が多いですね。(「業法」というのは、ある業種の許認可や守るべきルールを定める法律です。すごく大雑把に言えばですが。)追加された法律の内容は、少しずつ細かい点は違うものの、「相手方の承諾」を条件に、書面の交付などのデジタル化を可能とするという点では、同様のパターンになっています。改めて、e文書法第6条の規定を見てみると、こうした個々の改正のパターンが凝縮されていることが分かるのではないでしょうか。

 

 長くなってしまいましたが、これでIT書面一括法については、終わります。次回は、IT書面一括法と同じく2000年に第150回国会で成立した、IT基本法について見てみたいと思います。順序が後先になってしまったかもしれませんが、よろしくお願いします。

 

(参考)

hourei.ndl.go.jp

ura49.hateblo.jp